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◇◆がんばれ新潟◆◇
四万温泉と雪国古民家の旅

9.なくしたものばかり











 帰りの荷物は多い。
 なぜなら、スキー上りで温泉に寄った場合、お風呂に入る前はスキーウェアを着ていて、お風呂上りには普通の服を着るからだ。
 スキーウェアはやたらとかさばる。特に親子三人分ともなると。
 このとき私は温泉タオルが一枚足りないことに気づいた。温泉タオルというのはバスタオルじゃなくて、手ぬぐいサイズで旅館の名前なんかが入っているぺらぺらのあれだ。
 普段は男湯女湯それぞれに1枚換算で計2枚持ち歩き、女湯は親子3人で1枚を使ったりするのだが、今回はみよしやと鷹の湯に別行動する可能性も事前に考えて、計3枚持って来たのだ。
 だから女湯に2枚持ってきたはずだが、何故か1枚しかない。
 脱衣前は確かに2枚あった。巾着をほどくときに確認した記憶がある。
 どこに消えちゃったんだろう。
 脱衣所を隅から隅まで探して、もう一度浴室まで戻ったりもしたが、この温泉タオルはついに見つからなかった。
 入れ違いにあがった人が間違えて持って行っちゃったんだろうか。
 そして温泉タオルを探していた時、タオルじゃない別のものを見つけてしまった。
 脱衣籠の中じゃなくて、籠の外、棚の隅に。
 「指輪だ」
 シルバー製かな。幅の太い指輪で何か彫ってある。
 「誰かの忘れものかな。帰りに届けようか」そう子供たちに説明していると、ちょうど脱衣所にやってきた清掃のおばさんが、自分が預かると言ってくれた。
 誰のかわからないけど、きっと落とした人はがっかりしていると思う。
 ちょっといいことをしたかなと思ったが、その時私は指輪に気を取られて、自分の静電気防止ゴムを脱衣棚に置いてきてしまった。
 他人の忘れものを届けて、自分が忘れものをするとは。
 情けないったらありゃしない。


何故かひなの宿千歳には若井さんのどぶろくのポスターが



 忘れもの、無くしものはそれだけで終わらなかった。

 服を来て、コートも着たときにようやく私はさっきいくら探しても見つからなかった松之山温泉スキー場の1日券を見つけた。
 なんとコートのポケットに入っていた。
 電話を終えた後、急いでいたので無意識にポケットにしまっていたらしい。
 ロビーに戻ると、もうパパと子供たちが先に戻っていて、受付の横に並べてあった土産物の中から可愛い犬と猫の置物を買っているところだった。
 このとき受付にいたのはさっきの高飛車な感じの女性ではなく、ちょっと優しそうな若旦那みたいな人だったので、今からでも割引券の交渉をしてみようと思った。
 たかが100円引きなのだが、月見の湯にも入れなかったし、髪ゴムがあるのに気付かず巾着までほどいたし、温泉タオルは無くなるし、このときはまだ髪ゴムまで忘れてきたことには気づいていなかったが、何だか100円でもいいから引いてもらいたい気分だったので。
 しかし、松之山温泉スキー場の1日券が見つかった代わりに、今度はさっき受け取った領収証が見つからない。
 さっきはまさか1日券が後から出てくるとは思わなかったので、適当にどこかに突っ込んでしまったようだ。
 焦ってまたまた袋に手を突っ込みかき回す私。
 さっきより荷物が多いから、ますます見つからない。
 仕方なく、ロビーの椅子のところにスキーウェアを出して調べることにした。
 これがまたやるべきではないことだった。
 結局領収書は見つからず、パパももういい加減にしたらと言うので諦めて、スキーウェアだけはひとつたりとも忘れないようにチェックして袋に押し込んで、何だか後ろ髪を引かれるような思いで千歳を後にした。
 とにかく何か足りないような気がしたのだ。
 何かが。


温泉で犬や猫の置物なんかいまどき買うかー? と思ったが・・・確かにこれはカワイイ




4-10もう松之山には戻れないへ続く


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