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◆がんばれ新潟 雪国のお正月◆1-11


11.真湯を探して

 坂道を下りながらあといくつ入れるだろうかと思った。
 真湯熊の手洗湯だけはどうしても入ってみたい。
 次へ行くとしたらさっき車で通った住吉屋やクアハウス野沢のある通りから麻釜の湯が近い。麻釜の湯経由で真湯へ向かうか。
 ・・・いや待てよ。くぼたの所から細い道に入ると真湯へのショートカットができそうだ。この地図上の点線ははたして一般道なんだろうか。もし通れなかったら引き返すことになるけど大丈夫だろうか・・・。時間のロスは嫌だなぁ。
 思い切って細い道を行ってみた。道が点線になると、車は通れないくらい細くなってきた。しかも雪が溶けずに残っていて道が凍り付いている。アイスバーンの坂道ほど怖いものは無い。一瞬後悔した。やっぱり点線のない道から行けば良かったかな・・・。
 最後の急坂は泣きそうだった。勘弁してよ・・・。
 横からスキー客が合流してくる。
 真湯ペアリフトの方から直結している道があるようだ。
 もう夕方。
 スキー客も次々引き上げてきて、どんどん外湯が混むんだろうな。少し急がなくちゃ。

 真湯があると思った通りをいくら探してもそれらしい建物が見つからない。
 地図では二本の通りの真ん中ぐらいに温泉マークがついている。もしかしたら隣の通りからしか行かれないのかな。
 そう思ったとき、タオルを持ってうろうろしている私を見かねたスキー客の一人が呼び止めてくれた。
 「もしかして真湯探してるのとちゃう?」
 「そうなんです」
 「ほなら、こっちや」
 「あ、ありがとうございます」
 「せっかく来たのに入れんとつまんないもんな」
 彼はすたすた歩いて突き当たりまで来て、一本となりの通りを指さした。
 「あの通りをちょっと行って右手にあるよ」
 彼はそう言うとスキー板をかついで正面の旅館に消えていった。
 親切な人だなぁ。

 言われたとおりに行ってみると、真湯はあっさり見つかった。
 佇まいは今までの外湯と比べると、木造でもそれほど凝っていない。特にドアが病院のドアのようだ。
 だけど看板には「真湯霊泉」の文字。ここはなんと言ってもお湯で勝負。




 真湯のお湯には一番たまげた。
 その色彩のインパクトで目が点になってしまった。
 濃い抹茶のような底の見えない濁り湯に、黒い湯の花が一面に舞っているのだ。
 緑に黒。
 凄い強烈。
 正体は明礬だという黒い湯花はもう半端じゃない量だ。消しゴムかすぐらいのサイズなのだがお湯から上がると体に沢山くっついてくるぐらい凄い。
 硫黄の臭いも強い。
 霊泉と書かれるだけある。



1-12.これも縁かと上寺湯へ続く


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