野沢温泉 真湯【共同浴場】

真湯(しんゆ) 大量の消しゴムかすみたいな湯の花に会えるかも

  • 所在地 389-2502 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8852 TEL 0269-85-3155(8:30~17:30 野沢温泉観光協会)
  • 泉質 単純硫黄温泉(アルカリ性低張性高温泉) 源泉名 真湯
  • 利用可能時間 4月~11月 5時~23時、12月~3月 6時~23時
  • 利用料 野沢温泉宿泊者 無料、日帰り利用者 寸志
  • 設備等 男女別内湯
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[2015年5月のデータ ただし利用時間等は2015年10月のデータ]

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  • 温度★☆☆☆☆ 泉質★★★★☆   野沢のお湯は全般的に熱い
  • 設備★★☆☆☆ 雰囲気★★★☆☆  

野沢温泉 真湯【共同浴場】 体験レポート

野沢温泉真湯の外観 野沢温泉真湯の湯もみ板
真湯の外観と湯もみ板。外観の画像はクリックで拡大。

 「天下乃名湯 眞湯」の石碑が立つここは、本当に印象的なお湯。
 野沢温泉に来たらぜひ入っておく一湯だと思う。

 それからこの真湯は、行こうとしていつも道に迷っていたことでも印象深い。
 2015年に行った時はもう判りやすい地図になっていたが、以前観光協会で配布していた地図では二本の道の間に書かれていて、毎回違う道からアクセスして悩んでいた。

 初めて来た時もタオルを持ってうろうろしている私を見かねたスキー客の一人が呼び止めてくれた。
 「もしかして真湯探してるのとちゃう?」
 「そうなんです」
 「ほなら、こっちや」
 「あ、ありがとうございます」
 「せっかく来たのに入れんとつまんないもんな」
 彼はすたすた歩いて突き当たりまで来て、一本となりの通りを指さした。
 「あの通りをちょっと行って右手にあるよ」
 彼はそう言うとスキー板をかついで正面の旅館に消えていった。
 親切な人がいて助かった。

 言われたとおりに行ってみると、真湯はあっさり見つかった。
 佇まいは今までの外湯と比べると、木造でもそれほど凝っていない。特にドアが病院のドアのようだ。
 だけど看板には「真湯霊泉」の文字。ここはなんと言ってもお湯で勝負。

2004年当時の建て替え前の旧・真湯
2004年当時の建て替え前の真湯

 真湯のお湯には一番たまげた。
 その色彩のインパクトで目が点になってしまった。
 濃い抹茶のような底の見えない濁り湯に、黒い湯の花が一面に舞っているのだ。
 緑に黒。
 凄い強烈。
 正体は明礬だという黒い湯花はもう半端じゃない量だ。消しゴムかすぐらいのサイズなのだがお湯から上がると体に沢山くっついてくるぐらい凄い。
 硫黄の臭いも強い。
 霊泉と書かれるだけあると思った。

野沢温泉真湯の浴室 野沢温泉真湯の天井
真湯の浴室と天井

 それから5年。
 2010年に訪ねた時には建て替えが終わっていた。

 「あれ・・・」
 しかし真湯の前で私は驚いた声を上げた。
 「違うとこかと思った」
 木の色も新しいぴかぴかの建物は、自分の知っている真湯とは違う場所のようだった。
 「建て替えたんだ・・・」
 私の知っている真湯は古びた建物で、むしろレトロ感のある金属のドアだった。
 建て替えられても「真湯霊泉」と看板に掲げられているところは変わらない。看板も新しくなってはいるが。
 小雪の舞い始めた空を見上げてから、夫と私はめいめい男湯、女湯と書かれた戸をあけた。

 以前はいきなり浴槽だったような気がしたが、下足場があって、それから中に入るようになっていた。
 のぞき男の似顔絵手配なる張り紙もあってびっくりする。
 中も大層きれいになっていて、天井は湯気抜きのある木造り、床はタイルだった。
 お風呂の壁に花を生ける箱がしつらえてあって、梅の枝だろうか飾られているのが印象に残った。

 お湯の様子も以前来た時とはずいぶん違って見えた。
 前は濃い抹茶に黒い湯花が大量というえらくインパクトのあるカラーリングだったが、今日の真湯はどちらかというとミルキーブルーの白濁湯という感じだ。
 かき回してもかき回してもほとんど湯の花も無い。
 わずかに小さめの黒いものが見つかっただけ。ちょっと拍子抜けだ。

野沢温泉真湯のお湯

 マッチのような硫黄のにおいがする。
 熱さはもう、手を入れるのも勇気がいるほど熱い。
 でも私と入れ替わりに上がった先客がいたのだから、人が入れない温度では無いはず。
 せっせと掛け湯して慣らし、何とか肩を沈める。

 あっちゃ~。
 本当に熱い。
 草津の時間湯で少々鍛えた私でも熱いと思う。
 熱いと一番先にやられる足の脛が猛烈に痛くなる。
 こりゃダメだ。
 すぐに上がり、壁の向こう、男湯に声を掛けてみる。
 「そっちは一人?」
 「いや、二人だけど」
 「熱くないー?」
 熱いけどそれほどでもないといった適当な返事が返ってくる。
 どうも男湯は女湯ほどの熱湯ではないようだ。
 でも野沢温泉で熱い湯ということは、それだけ野沢温泉らしいということだ。
 こりゃあ入るしかない。
 意を決してもう一度入る。
 でも熱い。
 何しろまったく加水していないようだ。
 仕方ないので何度も出たり入ったりを繰り返した。最後まで数分単位では入れなかった。

 その後、東日本大震災の直後の長野の大地震によって真湯の源泉温度は少し下がってしまった。
 地元でも熱い湯が好きな人は真湯ではなく麻釜の湯に通うようになり、改めて引き直した方がいいんじゃないかという話も出ていたと言うが、最近はまた源泉温度が少しずつ元に戻って来たとも聞いた。

野沢温泉真湯の湯口 野沢温泉真湯の浴槽
真湯の浴槽。湯口の写っている画像はクリックで拡大。

 さて2015年に真湯を訪ねた時はというと、非常に賑やかだった。
 先客は観光客とおぼしき三名。
 そこに私と友人たちが入って計6名。
 先客の三人は水をいっぱいまで出しながら渾身の力を込めてかき回していた。

 凄いのはお湯の状態。こんなのは初めて見た。
 なんかね、緑と黒の消しゴムかすが大量に入っている中に体を入れる感じ。
 いやいや消しゴムかすの中に体が沈む感じというか・・。
 もんのすごいの、湯の花の量が。ひとつひとつの湯の花も大きいし。

 マッチのような強いにおい。戦いを挑まれてる系のパンチが強いお湯だ。
 肌触りはするするする。湯の花消しゴムでデトックスしたわけじゃないけど。

 大変にインパクトの強いお湯だったが、全員がいっせいに上がると、瞬時に湯の花は底の方に沈んでいき、さっきまでの強烈な見た目はすっかり消えてしまった。
 お湯はうっすらと緑白色に濁っているばかりで、消しゴムかすの影も見えない。
 激しく湯もみをしたからこそ、あの尋常ならざる湯の花が見えたのだ。

 でも戦いの痕はしっかり残っていた。
 湯上りのみんなの背中は煤でもついたように黒い点々。体をふくのに使ったタオルは黒カビでも生えたかのように凄い状態になってしまった(見た目はかなりイマイチ)。

野沢温泉真湯の湯の花で黒くなったタオル
黒い大量の湯の花の証拠物件

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