浴室もぴかぴかだった。
以前の王湯の共同浴場らしい鄙び感はまるで無く、少し洋風の入った洒落た旅館のお風呂のようだった。
一ヶ所だけ角を落とした長方形の石の浴槽で、窓からは露天風呂が見えている。
露天風呂は扇形。屋根がついていて片側が開けている。
たいそう眺めがよく、木立の間には遠く工事中の橋が見えている。
お湯は適温・・・というか、どちらかといえばぬるめ。焦げた感じの硫黄のにおいが少しばかり。
無色透明でものすごくきしつく感触。
きしつきの強い温泉は、だいたい入っているうちにすべすべしてくることが多いが、ここは入れば入るほどますますぎしぎしにきしんでくる。
内湯も露天風呂もほとんどお湯の印象は違わなかったので、露天風呂でゆっくりした。
この小奇麗さが今までの「川原湯」の雰囲気と違っていて、ああ、ついに移転なんだなと改めて思った。沈んでしまう川原湯と、高台の
新しい川原湯と別モノなんだなと。
とはいえ、ここはここ。
ダムのことは置いておいて、良いところだと思う。新しい温泉として、沢山のお客さんが来るといいと思う。
良いお湯が湧いていて、居心地の良いお風呂がある。
景色もきれいで、働いている人たちも親切だ。