川原湯温泉 王湯

ダムに沈む旧川原湯温泉から移転した新共同浴場

  • 所在地 群馬県吾妻郡長野原町川原湯491-6 TEL 0279-83-2591
  • 泉質 含硫黄―カルシウム・ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉(低張性中性高温泉) 源泉名 川原湯温泉(新湯)
  • 公式サイトURI http://www.kawarayu.jp/onsen.html
  • 営業時間 10:00~18:00(最終入館17:30まで)
  • 定休日 毎年1月20日は湯かけ祭りのため休館、その他不定休
  • 利用料 2時間 大人500円、小人(小学生以下)300円
  • 設備等 男女別内湯、露天風呂、大広間休憩室など
  • ※王湯は2014年7月に(新)川原湯温泉に移転したが、移転前の(旧)王湯のレポートはこちら。なお、(旧)王湯は移転に伴い閉館となった。
[2014年8月のデータ ただし入浴料金・営業時間等は2016年2月のデータ]

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  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆  お湯はそれほど熱くない。泉質も特に問題なし。
  • 設備★★★★★ 雰囲気★★★★★ 脱衣所にベビーベッドあり、大広間休憩室あり

川原湯温泉 王湯 体験レポート

川原湯温泉王湯会館の外観 川原湯温泉王湯会館の内湯
川原湯温泉 王湯の外観と内湯。内湯の画像はクリックで拡大。

 八ッ場ダム建設に翻弄された温泉と言えば川原湯温泉だろう。
 吾妻川沿いに立つ古びた川原湯温泉のゲートを見る度にいろいろと考えたが、単なる一個人にもちろん答えは見つかるわけも無く、そして2014年、ついに川原湯温泉は移転した。ダムの水が届かない高台へと。

 まだ橋が工事中だったため、旧川原湯温泉街を抜けて坂を登り、川原湯温泉トンネルという短いトンネルを抜けるとそこは造成地だった。
 ただっ広い駐車場があって、そこら中工事中。
 川原湯温泉協会のサイトにはあと半月ほどで区画内の道路や橋が完成するとあったが、本当に間に合うのかと心配になるくらい。

 川原湯温泉第二駐車場に向かう時に左前方にそれらしい建物が見えた。
 いかにも新しい木の建物で、遠目にも入り口の横の壁に王湯のトレードマークでもある源氏の紋所が白いレリーフになっている。

 自動ドアの中は冷房が効いていた。
 何故か受付とその前に係りの女性が三人もいて、ちょうど前のお客さんの相手が終わると揃っていらっしゃいませと出迎えた。
 料金は500円で休憩含めて2時間分。左手に階段があり、2階が休憩室になっているとのこと。

川原湯温泉王湯会館の露天風呂 川原湯温泉王湯会館の露天風呂の湯口
川原湯温泉 王湯の露天風呂と湯口。露天風呂全体の画像はクリックで拡大。

 浴室もぴかぴかだった。
 以前の王湯の共同浴場らしい鄙び感はまるで無く、少し洋風の入った洒落た旅館のお風呂のようだった。

 一ヶ所だけ角を落とした長方形の石の浴槽で、窓からは露天風呂が見えている。
 露天風呂は扇形。屋根がついていて片側が開けている。
 たいそう眺めがよく、木立の間には遠く工事中の橋が見えている。

 お湯は適温・・・というか、どちらかといえばぬるめ。焦げた感じの硫黄のにおいが少しばかり。
 無色透明でものすごくきしつく感触。
 きしつきの強い温泉は、だいたい入っているうちにすべすべしてくることが多いが、ここは入れば入るほどますますぎしぎしにきしんでくる。

 内湯も露天風呂もほとんどお湯の印象は違わなかったので、露天風呂でゆっくりした。
 この小奇麗さが今までの「川原湯」の雰囲気と違っていて、ああ、ついに移転なんだなと改めて思った。沈んでしまう川原湯と、高台の新しい川原湯と別モノなんだなと。
 とはいえ、ここはここ。
 ダムのことは置いておいて、良いところだと思う。新しい温泉として、沢山のお客さんが来るといいと思う。
 良いお湯が湧いていて、居心地の良いお風呂がある。
 景色もきれいで、働いている人たちも親切だ。

川原湯温泉王湯会館の浴室 川原湯温泉王湯会館の休憩室
川原湯温泉 王湯の浴室と大広間休憩室

 一応非加熱・非循環というここのお湯は、そりゃあまあちょっと加水してぬるめすぎだとは思う。
 でもオープンしてたったの一か月なのに湯口近くの析出物の成長ぶりはどうよ。
 既に塩がこびりついたみたいになっている。
 無色透明であんまり特徴無いんじゃないなんてとんでもない。
 そんなに長い時間入っていたわけでも無いのに上がってみるとひざ下がちりちりするほど効いている。
 お湯の鮮度や使い方は落ちたかもしれないが、新しい施設になった分、万人に勧められる日帰り温泉になったと思う。

 湯上りに二階の休憩室に上がってみたら、各テーブルに群馬のゆるキャラぐんまちゃんが手ぬぐいふんどし姿で川原湯温泉の湯掛け祭りをしているイラストのうちわが置いてあって和んだ。