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◇◆冬の群馬◆◇
雪煙と湯煙旅

13.あやうく食い逃げ










 お風呂上がりにぴったりのタイミングでおじさんはうどんを出してくれた。
 喉が渇いたので自販機で飲物を買って、しんめいの湯の休憩室でくつろいだ。
 休憩室の真ん中に置かれた大型ストーブに火を入れながら、おじさんは昨今の灯油代の高騰を嘆いた。
 「20リットル入れても一日で使い切っちゃうんだよ」
 原油高のあおりを受けて、しんめいの湯がつぶれちゃったら困る。
 「豆腐が入っているのって変わっているかな」
 きつねうどんは揚げだけじゃなくて豆腐入り。
 お腹が空いていたから息も付かずに食べてしまったが、見た目より量は多くてお腹一杯になってしまった。今夜の夕食が全部食べられるか心配になるくらいに。

 こうしている間にも次々と入浴客がやってくる。
 さっきまでの閑散とした雰囲気が嘘のようだ。
 私とyuko_nekoさんは先にお風呂に入っていて良かったねと肯き合った。
 「ごちそうさま」
 あまりゆっくりしていると、パパと子供たちがかたしな高原スキー場から帰ってきてしまう。
 私たちはそそくさと上着を着てズックが散乱する玄関を後にした。

豆腐入りのきつねうどん



 「渋滞とかに引っかからないよね?」
 結構道は混んでいるような気がする。だいたい日帰り温泉が混み始めたってことは、スキーを終えた人が多いってことだ。
 「大丈夫・・・だと思う。沼田ICへ向かう人が多いはずだから」
 そこでふと思い出した。
 「・・・私たち、うどん代、払ったっけ?」

 そうなのだ。
 私たちもおじさんもうどん代のことをすっかり失念していた。
 お風呂に入る前は入浴料しか払っていない。
 慌ててyuko_nekoさんは車をUターンさせた。
 無銭飲食になっちゃう。
 おじさん、ごめんね。

 まだ5分と走っていなくて良かった。
 引き返したしんめいの湯の玄関は更に靴が増えていた。おじさんも大忙しだ。
 窓口でごめんなさいとうどん代を出したが、おじさんもあれ? もらっていなかったっけ?と呑気なものだった。







2-14子供たちと、かたしな高原スキー場へ続く


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