お風呂上がりにぴったりのタイミングでおじさんはうどんを出してくれた。
喉が渇いたので自販機で飲物を買って、
しんめいの湯の休憩室でくつろいだ。
休憩室の真ん中に置かれた大型ストーブに火を入れながら、おじさんは昨今の灯油代の高騰を嘆いた。
「20リットル入れても一日で使い切っちゃうんだよ」
原油高のあおりを受けて、しんめいの湯がつぶれちゃったら困る。
「豆腐が入っているのって変わっているかな」
きつねうどんは揚げだけじゃなくて豆腐入り。
お腹が空いていたから息も付かずに食べてしまったが、見た目より量は多くてお腹一杯になってしまった。今夜の夕食が全部食べられるか心配になるくらいに。
こうしている間にも次々と入浴客がやってくる。
さっきまでの閑散とした雰囲気が嘘のようだ。
私とyuko_nekoさんは先にお風呂に入っていて良かったねと肯き合った。
「ごちそうさま」
あまりゆっくりしていると、パパと子供たちがかたしな高原スキー場から帰ってきてしまう。
私たちはそそくさと上着を着てズックが散乱する玄関を後にした。