とわの湯は国道に面しているせいか建物はさっきの
烏帽子の湯よりも大きく、ほんの数台停められるだけだが駐車場もついているようだった。丸い胴体の郵便ポストや電話ボックスがあるのがレトロ感を増している。
建物はもちろん決して新しくはなく、町の公衆浴場らしくいい感じに年季が入っている。
しかし烏帽子の湯周辺も、このとわの湯周辺も全然温泉街らしくない。本当に普通の住宅地の一角みたいだ。
とわの湯の周辺には温泉旅館も何軒かあるのだが、それでも景観は田舎の国道沿いそのままであまり観光地らしくない。浴衣で散策とかしたら絶対浮きそうだ。
とわの湯の浴槽はきっちりと正方形だった。
さっき烏帽子の湯でかいだようなゆで卵の臭いはせず、むしろ少し鼻を突くような刺激臭のようなものを感じる。
昨日のかみのやま温泉も、今日の赤湯も、どこも共同浴場は湯気が凄くて浴室内がミストサウナみたいになっていて、前がよく見えないし、時々ポタリと冷たい滴が落ちてきて思わずヤラレタと飛び上がりそうになる。
お湯はわずかにうす濁り。茶色の少し大きな湯の花がぽわっとところどころに漂っていた。
加水もあるものの掛け流しのお風呂は、浴槽の縁から円形のさざなみを作り贅沢に流れていく。
ここもあまり長湯はできない。
とにかく一湯ごとにどっと体力を取られる。疲れて歩けなくなる。
昨夜飲みすぎたせいではあるまい。