豆腐屋は山の中なのに小洒落た作りだった。
豆腐アイスが食べたいねなんて私たちは言っていたが、残念ながら豆腐と加工品は今日は全て売り切れだった。
卓上には蜂蜜がある。「日本みつばちのハチミツ。今年は24本です」とある。美味しそうだけど・・・私の蜂蜜の使い方だとあっと言う間に無くなってしまいそうな・・・。
と、横でえんぴつさんが美味しい蜂蜜だと一瓶なめちゃいますよねとか言っている。誰かが「熊か~」と言ったので吹き出してしまった。これ一瓶抱え込んでなめたら、プーさんみたいにドアにはまって出られなくなったりして。
隣の囲炉裏の端にはなめこ汁。「どうぞご自由に」と書かれて椀が伏せてある。yuko_nekoさんが一杯飲んでいた。私はもう焼き肉でお腹いっぱいで。
問題の
京塚温泉の鍵は壁のホワイトボードに下がっていた。
大人一人500円、子供一人300円払って、私たちはその鍵を借りた。
京塚温泉は豆腐屋から車で1分。
豆腐屋とガソリンスタンドのコスモ石油の間の角を曲がる。
「ここだ」
ただっ広い空き地のようなところでがっちゃんは車を停めた。
目の前に不揃いな竹垣を組んだ塀がありそこにぽつんとドアが付いている。「しゃくなげ露天風呂 無断入浴禁止」と書かれた木の板が張られていて、何故か「入場券入れ」と書かれた郵便受けが付いている。いや、本当にタダの郵便受け。一般家庭の門の所に取り付けられているような赤いやつ。
よく見ると竹垣の左隣にはもうひとつドアが付いているようだ。
そして竹垣の右隣にはプレハブのような小屋。
左右にドアが付いていて、それぞれ「男湯」「女湯」とカレンダーの裏に文字を書いた紙がガムテープで貼られている。女湯の方には入浴客がいるようで、靴が一足ぬいである。