さっきの
応徳温泉で子どもたちはお風呂に入らなかったから、ここではみんなで入ろうと話をしていた。
貸切なら気兼ねないし。
しかし、雲が増えてきて朝以上に冷え込んできたこの気候で、吹きさらしの脱衣棚を使い脱衣するのはなかなか辛かった。子どもたちはぶるぶる震えながら支度して、ざばざばお湯を掛けると中に入っていった。
時折ぱらぱらと雨がちらついて来たので、ぬいだ靴も屋根の下に避難させた。
お湯は熱すぎずぬるすぎず、ちょうど良いくらいだった。外気温が低いので、のぼせずにゆっくり入っていられそうだ。
お湯の色は僅かに緑色がかって白濁して見える。底の岩に苔が生えてきているのかぬるりと滑るので注意しながら入った。
パイプからどぼどぼお湯が溢れていて、その近くにyuko_nekoさんとえんぴつさんが座っている。
硫黄の臭いがするとか金気臭がするとか言っている。
くさい臭いも混じっているとyuko_nekoさんが言うが、さっき焼き肉を食べたばかりなので手に煙が付いているからだという結論に達した。
私には硫黄の臭いと金属の臭いの他に、青竹のような臭いが感じられた。揮発してくる成分がつんと竹のような刺激臭に感じるのだ。
とにかく全体としてどこの温泉に似ているとも言いきれない複雑に混ざり合った臭いだった。とても強いという臭いではないのに、ブレンド具合が微妙というか。
味もゆで卵プラス金属。
肌触りはきしつく。
温まり度はそれほどでもない。