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沖縄・子連れで体験旅行!
*子連れ沖縄旅行記3*

20.紙粘土で作る海の危険生物シリーズ










 パパがなきじん海辺の自然学校に泊まるのに楽しみにしていたことのひとつが、夜のゆんたくだった。
 ゆんたくとは沖縄の言葉でおしゃべりすること。
 まあこの場合は、たぶん飲んでおしゃべりすること。
 また、自然学校の夜のゆんたく会場は、子どもたちにとっては紙粘土シーサー作り会場でもあり、また昼間、ダイビングやシュノーケルした人たちにとっては撮影した水中映像を楽しむ時間でもあるようだ。

 夜の8時半。
 私たちは階段を降り、食堂へ向かった。もうゆんたくは始まっているようだった。

 私たちが食堂に入ると、小柄な若い女性のスタッフが紙粘土シーサー用の席を作ってくれた。
 既に置いてあったランチョンマットを外し、新聞紙を敷き詰める。
 その席の隣のテーブルでは既に昨日のうちにシーサーの形を作り終えた、カナやレナと同年代の姉弟がいて作業を始めようとしている。
 紙粘土シーサー作りはまず紙粘土でシーサーを作り、連泊する人は次の日に色塗りにもチャレンジできる。
 隣のテーブルの子どもたちは今日色塗りに入ることもできたが、昨日の出来が気に入らないらしくもう一度シーサー作りからやり直すようだった。
 担当してくれたお姉さんはヨーコさん。真面目で明るく「いやいやいやいや」というのが口癖らしい。紙粘土とシーサーの見本、それから水の入った器を運んできた。
 何だか楽しそうだなぁ・・・。
 「大人もやってもいいですか」
 「もちろんですよ、どうぞどうぞ」
 私も子どもたちと一緒に座った。
 ヨーコさんは持ってきた紙粘土を三つに分け、私たちの前に置いた。
 見本は前に作った人が置いていったシーサーや、ちらしやパンフレット。シーサーと言えば沖縄の顔だから、酒屋のちらしや地図と言ったフリーペーパーのあちこちに焼き物の写真やイラストのシーサーが写っている。
 本来は狛犬のようなスタイルで、屋根や門の所にいるタイプがオーソドックスなのだろうが、キャラクターとしてのシーサーはとにかく「目をぎょろりとさせる」「鼻を大きく作って鼻の穴を目立たせる」「口も大きく牙をつける」の三つのポイントさえ押さえればそれらしく見える。

 ボクサーみたいなあっきーさんもやってきた。
 あっきーさんも作り始めた。
 いつもお客さんに付き合って作っているのかと思って聞くと、「シーサー作り、初めてなんです」とのこと。
 「えっ、そうなの?」
 よく聞いてみると、すっかりベテランなんだと思っていたあっきーさんとヨーコさんときよしさんは、ちょうど一ヶ月ぐらい前からこの自然学校で働き始めたスタッフさんたちなのだということが判った。自然学校ではヘルパーさんと呼ぶようだ。
 「あともう一人、ありさんという人がいるんですが、今日はお父さんが来ているんで出かけているんです」




 白い紙粘土をこねこねしているといつの間にか夢中になっている自分がいる。
 粘土の量がそんなに多くないので、私はシーサーの全身を作ることを諦めた。顔だけにしよう。
 カナは粘土を少量ずつ使ってちまちまと形を作っている。何だか妙に可愛いシーサーが出来上がっていく。牙を付けた猫みたいだ。しかも粘土が余ったから親子にした。それでも余って周りにシェルを作った。さらに余った分は私にくれた。
 レナの作品は笑うしかない。
 最初はシーサーを作ろうと努力していたが、どうしても上手く作れず、そのうちに違うものを作り始めた。
 「ハブクラゲ」
 なんですとー。
 レナは紙粘土でハブクラゲを作った。まだ沢山余っているので悩んだ末、海ヘビを作った。それから・・・自然学校の廊下にも、例のもとぶ野毛病院に貼ってあったような海のキケン生物ポスターが貼ってあるそれを見に行き、「ガンガゼも作った」
 シーサーを作りに来て、何でハブクラゲ・海ヘビ・ガンガゼなの。
 ヨーコさんとあっきーさんも吹き出している。
 「今までにも三線とか作られた方はいましたけど、海のキケン生物シリーズを作った人はいません」
 本人は大まじめ。よほどカナがハブクラゲに刺された事件が気になっていたようだ。
 そして気が付いたらカナもレナも紙粘土の粉で顔が真っ白になっていた。
 はっ、まさか私も?

 そして私たちが紙粘土と格闘している間、パパは離れた席できよしさんと語らいながら泡盛のグラスを傾けていた。







作品は上から、ママ、カナ、レナ・・・一番下の人物はあっきーさん



7-1デジカメの惨事へ続く


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