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海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

8.古宇利島のウニ







ネットの中には生きたタコ



 おじさんの姿はダイバーではなく潜水夫という言葉がしっくり来るような黒ずくめのスタイルだ。
 岸に無造作に年季の入ったシュノーケルと青いネットが置いてある。
 ネットの中にはぐにぐにと動く軟体動物の姿。
 「タコだ」
 レナがそーっとネット越しにタコの足に触ると、タコの吸盤がきゅっとくっついてきた。
 「こんにちは」
 「こんにちは」
 毎日海で仕事をしているのだろう、おじさんの顔は真っ黒に日に焼けて深いしわが刻まれていた。
 「この辺でウニが採れるんですか?」
 「うん、もっとずーっと沖の方だな」
 「へえー」
 思わず興味津々でウニの山を覗き込んでしまった。
 よくシュノーケルで見かけるまん丸で黒い棘のあるウニと違って、むいたミカンのような形をした棘の白っぽいウニだ。後で調べたらシラヒゲウニと言う種類らしい。
 「・・・食べてみるか?」
 「えっ」
 後から思うとおじさんは、あんまり私たちが物珍しそうにウニを見つめているのでこれは食べさせてやらねばならんと思ってしまったらしい。申し訳ない。
 おじさんはいきなり石のようなものでウニを二つ割ってくれた。
 割れたウニはちょうど栗のいがのようだった。
 真ん中に粒の混じったどろりした部分があり、殻の回りにへばりつくように等間隔に黄色い部分がある。この黄色いところをはがすと、べろのような形のあのお馴染みの食べるウニだった。
 手に乗せるととろっとミルクのようなものが流れる。
 そのまま口に入れると、濃厚な甘さと塩水の塩辛さと絶妙のバランスで、かんかんでりの海辺で今まさに採れたばかりのウニを割って食べている現実が信じられないような気がする。
 「お、おいし~い」
 パパは後から、おじさんは子どもに食べさせようと割ってくれたんじゃないかと言ったが、とにかくカナは珍しいものを怖がって食べようとしないタイプだし、昨日、名護曲レストランで美味しい美味しいと古宇利島のウニを食べていたはずのレナも恥ずかしがって後ろに隠れてしまって食べようとしなかったので、結局パパと私でありがたく頂いてしまった。
 ありがとう、ウニ採りのおじさん。
 こんな美味しいウニを食べたの初めてだ。
 というか、もう後にも先にもこんなに美味しいウニを食べる機会は無いに違いない。








おじさん、本当にありがとうございます。感謝してもしきれない。
沖縄で食べた一番の美味しい思い出!!




6-9古宇利ビーチのシュノーケルポイントへ続く


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