11.ひととき猫たちと遊ぶ
既にショーは始まっていたので、ガラスの仕切を隔てて見物客が詰め掛けていた。
キャットハウスのお姉さんがいろいろな猫たちに「お手」とか、「ちょうだいちょうだい」などをさせるのだ。
可愛いと言えば可愛いが、なんてことないと思えばなんてことない芸だ。
犬はちょっと教えるとこのくらいするが、猫で芸をするのは本当はきっと珍しいのだろう。
猫たちはガラスの向こうにいるだけかと思ったが、ショー会場の一部はただのロープ張りになっていて、猫たちは気が向いたら観客席の方もうろうろして良いことになっているのだった。
気が付くと、さっきまでお手をしていた猫が、その辺りをうろうろしていた。
笑っちゃったのはベビーカー好きの猫。
ずっとベビーカーを持っている家族連れの周りをうろうろしていたが、隙を見てベビーカーの上に乗っかってしまった。
ベビーカーの主である幼児は降りていたので無人だったが、ベビーカーで丸くなる猫を見て、母親は一言「連れて帰っちゃおうかしら・・・」
カナとレナが気に入ったのは大人しい「すなおちゃん」という名前の猫。
逃げずに触らせてくれるので、しばらくすなおちゃんと遊んでいた。