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鳴子温泉巡り旅

6.ラーメン提灯に偽りあり











 ゴーストタウンというのは言い過ぎにしろ、飯坂温泉街に活気がないのは確かだった。
 今日が三連休の前日で、まだ客が少ないのは頷けるが、道にはひとっこひとり歩いていない。
 ずらりと両側の電信柱ごとに店や旅館の名前を書いた光る看板が下がっていて、その全てにお揃いのカラフルな電飾がついている。
 なのに、それだけなのだ。
 電飾の数だけ店か宿があるはずなのに、灯りがついているのはその看板ばかり、閉まっているのか、つぶれてしまったのか、人の気配すら無い建物も多い。
 チープに見える電飾がカラフルであるだけに、益々もの悲しさが漂っている。
 小さな旅館などはどこも門戸が固く閉ざされたままだ。
 ぽつりと赤提灯。
 提灯には「ラーメン・やきとり」と書かれている。
 「ラーメン、食べる?」とパパが聞くとカナはうんと肯いた。

 ところが、店に入って聞くと飲むためのつまみ程度しか置いていないとのこと。
 「ラーメンがないならラーメン屋って書かなけりゃいいのに」とカナ。

 さらに歩くとじゅらくの看板が見える。「世界のショー」と書かれている。いかにも団体客向け歓楽温泉という感じのコピー。この温泉街の寂れように似つかわしいんだか、似つかわしくないんだか。
 結局ようやく見つけた保原屋というラーメン屋に腰を落ち着けることにした。




ラーメンの提灯に偽りあり




1-7保原屋食堂へ続く


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