◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記

24.旅の終わりが近づく

　6時45分。そろそろ旅も終わりに近づいてる。
　外はすっかり暗くなっていて、知らない場所で日が暮れることの不安が募る。
　日帰り温泉ゆららの湯に公共交通機関で行くには、近鉄奈良駅もしくはJR奈良駅から恋の窪町行きのバスに乗る必要がある。
　しかし今いる場所から行くとなると、やはりタクシーしか無いかな。
　奈良バイパスまで出ればタクシーが拾えるだろうと安易に考えていたのだが、車の往来はそれなりにあるのに全然タクシーが来ない。これでもかというほど来ない。
　東京近郊だったらこのくらい車が多かったらすぐに来るのに、やっぱりこちらではそうはいかないのだろう。
　最寄りの駅は近鉄奈良線の新大宮だから、そこまで歩いて途中でタクシーを見つけたら拾おう。
　そう思っていいかげん疲れて重くなっている足に鞭打って歩き出したが、本当にタクシーが通らない。結局歩いて歩いて新大宮駅まで着いてしまった。

　駅に着けば客待ちのタクシーもいる。
　去年の京都旅行もそうだったけど、旅の間中できるだけ公共交通機関を使うことを考えても、ラストが近くなると疲れてきたのと時間の関係などから急にバンバンタクシーを使うようになってしまった。
　今回も最初はバスでと思っていたけど、結局ゆららの湯の行き帰りはタクシーになった。

　タクシーは夜桜を見ながら川沿いを通って、最後住宅街に入ったら夜空に妙なものが見えてきた。
　偽物の花火みたいなやつ。センスが良いとは思えなかったのでパチンコ屋の電飾かと思ったら、それがゆららの湯だった。