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桜の古都巡り*奈良観光旅行記
> 3-5長谷寺の舞台と舞台から見る景色、桜
◆◇桜の古都巡り◇◆
奈良観光旅行記
5.長谷寺の舞台と舞台から見る景色、桜
法要が終わると二人の僧侶が輪袈裟と次第を回収した。
振り返るといつの間にかすっかり日が昇り、辺りは明るくなっている。
空は雲一つない青空で、靴を履いて崖から張り出した舞台に立つと、そこから見下ろす景色の素晴らしさに目を奪われ言葉も出ない。
緩やかな山を背にした里の景色はまさに春爛漫。
木々の緑の中、ところどころ淡い色の山桜がぼかしのように入り、今いる初瀬山からまだ山の影になり朝の光の届いていない家々の辺りまで回廊に沿ってこちらも満開の桜がこれでもかと咲き誇る。
奈良の長谷寺が花の御寺と呼ばれることは知っていたし、牡丹の花がつとに有名であることも知っていたけれど、長谷寺がこんなにも桜に彩られているとは知らなかった。桜の季節にこんなに美しい場所だなんて知らなかった。張り出した舞台があってこんなにも眺めが良いともまた。
長谷寺に来たのは何となく温泉に泊まりたかったからだし、朝の長谷寺に来たのは昨夜の夕食の都合だし、増してや早朝の一般参拝客のいない長谷寺に来たのは
井谷屋
で勤行のことを教えてもらったからだ。
全部そろわなかったら今こうしてここにいない。
こうしてこの眺めを感嘆のため息とともに見下ろしていない。
いろいろな条件がパズルのピースのように組み合わさって今がある。
やっぱり旅はいいな。
思いがけない景色との出会いにいつもハッとさせられる。
目を右手に移すと - そちらにも満開の桜が奥行きを持っていくつも咲いていたのだけれど、朱い壁の五重塔が見えた。
勤行の後はそのまま自由に長谷寺の見学をして良いようだったので、私たちはその五重塔の方角に歩き出した。
3-6長谷寺の五重塔
へ続く
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