本栖湖キャンプ便り・水着で過ごす湖畔の休日

4.本栖湖の魚

　水際に降りてみると、透明度の高さに驚かされる。
　南の島のビーチで見るような、底がはっきりと見える水の綺麗さ。
　「魚がいるって言ったのに、いないじゃん」とカナ。
　うーん、でも釣りをしている人もいるんだからいないことはないと思うけど。
　あっ、跳ねた。
　あそこで魚が跳ねたよ。
　えっ、うそうそ、どこ?

　足首まで水の中に入って遊んでいたカナがふいに言った。
　「おたまじゃくしがいる!」
　え?　こんなところにおたまじゃくし?
　見ると、白と黒の小さな魚が二匹、カナの足下をひょいひょい泳いでいた。
　「それ、魚だよ」
　「えっ、うそっ」
　魚は特に怖がる様子もなく、足の周りをすいすいと泳いで、いなくなってしまった。
　やっぱり魚、いるんじゃない。
　いつの間にか夢中になって砂遊びしている子供たちを監視しながら、ふと湖面に目をやると、水面が動いている。
　あっ、ちょっと大きな魚が数匹群をなしてこっちへ来るよ。
　すいすいすいと、優美に群は目の前を通り過ぎ、湖岸を縫うように遠ざかっていった。
　こんな浅いところまで魚が来るんだ。半透明で横腹が水色だった。