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◇◆信州高山温泉郷で夏休み◆◇

2.まぬけなお願い






 松川渓谷温泉では日帰り温泉客も受け入れているが、日帰りの受付は宿泊棟ではなく、直接、下の食事処で行う。
 日帰り客は駐車場から直接階段を降りる。
 対する宿泊客は宿泊棟内の出入り口から、階段の途中に合流することができるようになっている。
 だから朝晩など日帰りを受け付けていない時間帯は、日帰り客用の出入り口は閉め切られて、宿泊者のみが宿泊棟の出入り口から露天風呂に行かれるようになっている。
 日帰りを受け付けている時間も、日帰り客が間違えて宿泊棟の中に入ってこないように、宿泊客は宿泊棟から出入りするときは自分で鍵を掛けないといけない。
 宿泊客は、部屋の鍵と、駐車場に面した宿泊棟の鍵と、露天風呂に行くための宿泊棟の鍵の三つを渡される。

 今は日帰り客は入ってこられない時間帯だから、露天風呂に行く出入り口の鍵を私たちは持ってこなかった。
 さっきすれ違ったカップルは律儀に鍵を閉めてしまったのだ。

 別にまた階段を降りて食事処で誰か見つければ鍵は開けてもらえるだろう。
 ただ、例によって朝食前の空きっ腹で、この石段を何度も往復するのはきついだけ。

 しばらくパパが来るのを待ってみたが、いつまでもパパは上がってこない。
 仕方なく呼びに行こうと少し降りたら、ようやくパパが登ってくるのが見えた。





 「鍵、締められちゃったよ~」
 「えっ」
 えっと言っても、たぶんパパも鍵なんて持ってきてないでしょ?
 「がっちゃんに開けてもらおう」
 パパは携帯電話を取りだして番号を押した。
 ・・・誰も出ない?
 そう思ったら、2階の窓に影が映った。
 「がっちゃん、がっちゃん! 鍵開けて、閉め出されちゃったよ」パパが大きな声で呼ぶと、がっちゃんが顔を出した。
 ごめんね、がっちゃん。
 すぐにがっちゃんは鍵を開けてくれた。
 朝から結構間抜けな事件だった。



4-3ダンさんカミさんの来訪へ続く


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