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◇◆がんばれ新潟◆◇
四万温泉と雪国古民家の旅

5.芝峠温泉雲海の露天風呂より降る雪を見上げて











 相変わらず空は曇って汚れた雪のような色をしているので、もう日が暮れるのかまだそんな時間じゃないのかよく判らなかった。
 芝峠温泉の看板に従って道を登っていくと、だんだん路上の雪の量は増えてきたが、昨日の2号館へ行く道筋ほどではない。
 左手が開けて見晴らしがよくなってきたと思ったら、芝峠温泉に到着した。
 宿泊客のものが大半なのか、駐車場はかなり混雑している。

 駐車場の一角に雪だるまの作りかけかと思う大きな雪玉が転がっていた。
 早速子供たちは飛びついたり蹴りついたり。
 急ぎたいパパはイライラして早く来いと呼びかける。
 駐車場は道路より一段低い場所にあり、駐車場から芝峠温泉雲海の建物まで行くには雪の斜面を登らなくてはならない。
 一応、みなが上り下りするので歩きやすいよう雪を固めて道を作ってあるが、上から降りてきた男の人がつるりと滑って尻もちをついたのを見たとき嫌な予感がした。
 「カナー、レナー、早くー」
 慌てて雪玉と戯れるのをやめて走ってきた子供たちだが、カナはともかくレナがどうしても登れない。
 上ろうとするがつるつると滑り上に進めない。
 上からカナと私が手を差し伸べたがそれでもなかなか登れない。
 何度も雪の坂にばったりと倒れてしまう。
 堪忍袋の緒を切らしたパパが「いい加減にしろ!」と大声を出したが、こちとら遊んでいるわけじゃないって。

 ようやく辿り着いた雲海の入口。
 中は暖かく、階段を上るとすぐに椅子を並べた簡易な休憩所と言うか、待合室のようなものがあり、日帰り温泉客が大勢くつろいでいた。
 男湯に行くパパとはここで別れ、私は子供たちを連れて女湯の暖簾を潜った。





 適当に子供たちを洗って次に自分を洗う。
 洗い終わって振り返ると、子供たちは内風呂に入っていた。
 「露天風呂行こ、露天」
 芝峠温泉は内湯と露天風呂で使っている源泉が違う。
 そんなに源泉自体の成分が違うとは思えないのだが、使い方が違うのか、明らかに露天風呂の方がお湯がいい。
 ドアを開けて吹きさらしの外に出るととても寒い。凍えそう。
 すぐドアの外に寝湯のようなものもあるが、お目当ては展望浴槽の方。
 足の裏も冷たいと思いながら急いで絶景露天風呂に入る。
 やっぱりこっちの方が断然いい。
 臭いも強い薬っぽさのある油の臭いで、重く感じるくらいの緑がかったお湯。
 露天風呂もそこそこ混んでいた。
 浴槽の半分ほどは頭上に屋根が張り出していて、外側は屋根なし。
 そして窓のない開けた側からは果てまでも連なる山々の景色と、見下ろすと小さく谷に沿って町並みも。
 雪ははらはらと降っていて、屋根のない辺りから見上げると白く冷たいものが次々眼の中に飛び込んでくる。肩や湯面に落ちたそれは一瞬だけ繊細で精巧な雪の結晶の姿を見せ、次の瞬間には跡形もなく融けてしまう。
 芝峠温泉のお湯は松之山に温泉にちょっと似ている。濃くて重くて油っぽくて塩辛い。
 硬いスキー靴の中で縮こまっていた足を延ばして一息。
 気がつくとざっくばらんに結いあげた髪に沢山の雪が絡まりついていた。






3-6コシヒカリソフトクリームへ続く


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