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◇◆がんばれ新潟◆◇
四万温泉と雪国古民家の旅

15.中生館と日帰り











 御夢想の湯のすぐ目の前に、中生館という旅館が建っている。
 実はここ、河原の湯と並んでさきほども書いた一郷一会の100名湯候補に挙がっている。
 ちなみに当初選ばれた四万温泉の日帰り湯100名湯は御夢想の湯だったのだが(そのときの紹介文は私が書いた)、建て替えられてからはお湯の実力が落ちて100湯を外れていた。
 その代わりに候補に挙がったのが河原の湯と中生館だ。
 河原の湯を押したのは私で、中生館を押したのはうつぼさんだった(もちろんうつぼさんは河原の湯も100名湯入りの実力と認めている)。
 そんなお湯の評判の高い中生館だが、泊まったことのあるyuko_nekoさん曰く、男湯と女湯で差別が激しいとのこと。同じ料金払ってこれは無いと憤っていらした。
 だから果たして女湯のみでも100名湯入りの実力があるかちょっと気になっていた。

 さっきタクシーに乗らずタクシー代を浮かせたのだから、もし千円未満で立ち寄り入浴させてもらえるなら、どうせ目の前まで来ているんだし、中生館に入ってみよう、私はそんな風に思った。





 中生館の外観はなんだかごちゃごちゃしていた。
 小ぢんまりとして、でもそこそこのもてなしはしてくれそうな、つまりお値段は一万円以上しそうな、でも民家然とした建物で、元旦にも関わらずシンとした引き戸を開けると、広くはないが小奇麗な帳場があった。
 しばらく様子をうかがっていたが誰も出てくる気配がない。
 すいませーんと呼びかけてみた。

 出てきたのは女将さんと若女将さんだろうか。二人の女性だった。
 「あのう、立ち寄り入浴はできますか?」
 二人は顔を見合せて、今日は元旦だからというような台詞を口にした。
 旅館は立ち寄りより宿泊客優先なので、休日、休前日などは日帰り客を受け入れないことも多い。だからその言葉に不思議は無かったのだが、そこに続いた内容は意外だった。
 「実はもう立ち寄り入浴はやっていないんですよ。しばらく前にテレビに出たことがあって、それから日帰りのお客さんが増えて、日帰りのお客さんと宿泊のお客さんの間にトラブルがあったことがありまして・・・」
 ・・・うーん。
 旅館にとって、特にそんなに規模の大きくない旅館にとって、テレビに出ることは必ずしもいいことばかりではないのだなと思わされた。
 しかしとにかくこれで中生館は一郷一会100名湯の候補からは外れたことになる。100名湯は日帰りできることが前提条件だからだ。



1-16ゆずりは飲泉場へ続く


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