子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > がんばれ新潟 古民家で過ごす夏休み > 3-11天然・虫取り風呂

がんばれ新潟 *古民家で過ごす夏休み*

11.天然・虫取り風呂



 翠の湯は本当に男女別の露天風呂が一つ。シャワーもカランもロッカーも何もない。
 木の浴槽はちょっと植木屋旅館の館内のお風呂を思い出す。
 たたえられている兎口源泉のお湯は鈍い緑色に濁っていて底は全く見えない。
 少し熱めだ。
 臭いは灯油と言うよりガソリンみたいだ。
 風情有るこの浴槽に不釣り合いなサンタクロース柄のプラスチックコップがあったので一口飲んでみたが・・・。
 うっ・・・。
 前にテレビで北朝鮮の名物高級料理にアサリだかハマグリだかにガソリンをかけて火をつけて食べるというのをやっていたが、想像するにあんな感じ。
 レポーターは最初は美味しく感じるが、そのうち舌にガソリンの味が残るようになってきて気持ち悪くなってくると評していた。
 翠の湯は最初から気持ち悪いというか、味以前にその強い臭いが鼻に入ってきて、とても飲めたものではなかった。
 強烈だなぁ。


翠の湯の女湯露天風呂 湯面に屋根と梢が映っている
見るからに濃厚そうなお湯、写真では臭いまでお届けできないのが残念 女湯からはブナ林が見える
森林浴ができる癒しの露天風呂


 ・・・と、浴槽の縁に動くものを発見。
 「青虫みっけ」
 「えっ、どこどこ」と壁越しに子供たち。
 「今そっちへあげるから」
 と、塀の隙間から手を入れて丸々太った青虫をそちらへ渡してやる。
 「うわー」
 「きゃー」
 男湯の方では蜘蛛の巣が邪魔で塀の隙間に近寄れないらしい。
 仕方ないのでパパが塀の上に桶を一つ乗せた。
 「これに入れて渡してくれ」
 しばらくすると今度は・・・。
 「蛍捕まえた」
 「見せて見せて」
 「ずるーい、女湯ばかりいろんな虫が来て」
 「これもそっちへ送ってあげる」
 またまた。
 「トンボ捕まえたよ」
 「ちょうだいちょうだい」
 「あっ、逃げちゃう」
 「レナがキャッチしたよ」
 何だか虫取り風呂になってきた。

 男湯の方では子供たちが喧嘩したりはしゃぎまわったりとやたらと賑やかだ。
 女湯はおかげで気楽なもの。
 女湯からはブナの林が見える。
 風に揺れる柔らかい緑の葉はまるで水彩画で描かれたようだ。
 お湯はとにかく塩分が強く濃厚さを感じる。
 入るときは最初は肌が抵抗してびりびりするが、やがてだんだん馴染んでくる。
 湯口の近くでお湯を巻き上げるとセピア色の湯花が沢山舞い上がる。
 蝉の声を聞きながら夏の露天風呂。


こちらは男湯露天風呂 眺めは女湯ほどではないみたい 親子で入浴中




3-12.優柔不断な決断へ続く


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