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◆がんばれ新潟 雪国に春は来たか◆4-9


9.春の冷たい雨ぞ降る

 軽い渋滞を抜けて、水上で高速を降りた。
 雨は益々激しくフロントガラスを叩く。
 谷川温泉は大きな旅館が建ち並ぶ水上温泉のその奥にある。
 水紀行水上館の辺りまでは以前紅葉の季節に来たことがある。あのときは宝川温泉に向かったので谷川方面には行っていない。
 私の両親は谷川温泉の金盛館せせらぎがお気に入りの宿で、水上温泉はピンからキリまであるが谷川には外れがないと聞かされた。
 途中までは湯テルメ谷川の看板はわかりやすいところにいくつもあったが、狭い谷川の温泉街に入ったとたん判らなくなった。金盛館の前を曲がり狭い坂を上ると坂の上にペンションセルバンが見えた。湯テルメ谷川が見つからなかったらここでもいいか・・・と思ったが、とりあえず引き返すことにした。もう一度金盛館の前を通り少し走ったところで小さな看板を見つけた。湯テルメ谷川と書かれているがいかにも見過ごしやすいし、示された道もとても細い。覗き込むとようやくそれらしい三角屋根の建物が見えた。

 ばしゃばしゃと冷たい雨が降る中、車を降りて湯テルメ谷川の入り口に駆け込んだ。
 入って直ぐ左手に受付があり、目の前に男女別の暖簾。休憩室は二階のようだ。
 スキーシーズンの週末など信じられないほど混雑すると聞いていたが、なるほど駐車場も小さいし、このキャパシティではきつかろう。
 今日は平日だし雨模様だから、スキーヤーも少ないのではなかろうか。


雨の中、新潟から群馬へ 山小屋風の湯テルメ・谷川


 浴室もこじんまりとしていた。
 内湯は三つ浴槽があり、窓に面した一番広い浴槽に張られているのがアルカリ性単純温泉の不動の湯だ。浅くて割に熱め。
 その向かいに小さめの浴槽が二つあり、一番小さい浴槽に張られているのが蛍の湯、単純温泉で冷たく感じるほどにぬるい。
 隣の蛍の湯より少し大きいだけの浴槽は河鹿(かじか)の湯、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉。お湯の温度はほとんど体温と同じくらい。
 この湯テルメ谷川は三つの異なる源泉を引いていて、いっぺんに楽しめるのがお得なのだそうだ。
 とはいえ、この三つ、泉質名は違えどそれほど印象に違いはない。臭いもごく弱い濁った油の臭いで、薄い塩味がするかしないか。一番顕著なのは肌触りで、石膏泉らしいぎしぎし感がある。

 露天風呂は階段を下りていく。
 階段には屋根がついているが、足下の石段が痛くて寒くても速くは降りられない。
 雨模様なので露天風呂に屋根があったら良いなと思っていたが、残念ながら本当の露天風呂だった。
 岩風呂で結構広い。
 正面が谷で、ちょうど雪の斜面が見えて綺麗。これは相当な景観のお風呂だ。人気があるのも頷ける。
 しかし思いっきり雨が降っているので湯面にじゃぼじゃぼと雨の飛沫が上がっている。
 先客がいたが、あまりに雨が激しいので早々に退散してしまった。
 この露天風呂は三つの源泉を混合して使っているそうだ。お湯は適温。眺め良し。これで雨さえふっていなかったらもっとくつろげるのに残念。
 それでも子供たちは貸切状態に満足してずいぶん長いこと露天風呂を占領していた。


湯テルメ谷川の露天風呂はとても景色がよい。
紅葉時などとても綺麗だろう

雪見風呂もいいんだけど、こうばしゃばしゃと雨が降っていては・・・ 




4-10.名残雪、消えてへ続く


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