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◆がんばれ新潟 雪国に春は来たか◆4-10


10.名残雪、消えて

 カナは十分入ったのでもう上がると言いだした。
 しかしレナはもっと入っていたいと言う。
 仕方がないので内湯でしばらく付き合った。
 浴槽が半円形で縁がカーブしているのを見て、レナは「これ何の形だ?」と聞いてきた。
 「判らない」
 「あのね、虹だよ」

 休憩室に至る階段は、入り口からすぐの処にもついていたが、脱衣所からも直接行かれるようになっている。
 二階に上がると既にカナとパパは休んでいた。

 湯上がりの肌はさらさらになっていた。
 さっきの大沢山のようなつるつるすべすべではない、パウダーをはたいたようなさらさらだ。
 松之山でがさがさになったお肌も、大沢山谷川温泉のダブル効果で修復されてちょうどいいかもしれない。

 雨の降りしきる中、日の暮れた関越道に乗って走り出すともう車窓の景色に雪は無い。
 三日前、赤城山からこちら、一面銀世界だった。
 フロントガラスを叩くのは雨粒ではなく粉雪だった。
 あれは名残雪だったのだ。
 私たちが雪国で過ごした四日間で、最後の冬将軍は去り、今は春の雨が静かに道をぬらしている・・・。


おしまい







後日談

 帰宅後、二日後に終業式の後、カナがおたふく風邪を発病した。
 おたふくの潜伏期間は2~3週間。
 あと2、3日遅かったらレナの病で旅行は中止だったし、あと2、3日早かったらカナの病で旅行は困ったことになっていただろう。
 これもまるで計算し尽くされたようなタイミング。
 カナ、明日からは春休み。まあゆっくり養生してよ。


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