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◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記

19.神宝宮






 千本鳥居を抜けると奥社奉拝所があり、先ほど二手に分かれた道がそこで合流している。
 つまりどちらに行っても到着地点は同じだ。
 しかしここで伏見稲荷は終点かと思えばとんでもない、まだまだ鳥居の参道は果てしなく続いている。
 前回大人だけで来たときはこんなに広かったかなと思いながら道を先へ進んだ。





 だんだんと鳥居の波はゆるい上り坂になってきた。
 いったいどこまで続いているのだろうと思いながら歩き続ける。
 途中で脇道を見つけた。右へ行く細い道で鳥居が無い。神宝宮という簡易な表示板が立てられている。なんとなくお参りして行こうかとそちらへ折れてみた。

 道は険しかった。
 振り返るとうねうねと続く赤い鳥居群からこのルートが外れたことが判る。
 少し登ると石の鳥居の神宝宮が見えてきた。涼しげな風が吹いていた。





 この神社に不思議なものを感じるとしたら、今まで歩いていた伏見稲荷の全てが朱に塗られた世界からすると、フッと色が消えたように思えるところだろうか。
 僅かに結界を張ったような外との境に低い朱塗りの柵を使っているほかは、シンプルに石と竹と木で作られた社で、白狐ではなく石の龍が本殿の脇を守っている。
 桜と沈丁花が咲いているが、色は淡く主張は少ない。
 ただ奉納された人型の千代紙だけが極彩色だった。

 ここでカナの姿を見失う。
 あいつはたまに行方不明になるからなぁ。
 方向感覚が無く道に迷いやすいレナと違って、気まぐれで先に行ったりするからたちが悪い。
 沢山の参拝客・観光客がひっきりも無しに歩いていた伏見稲荷に比べるとここはあまりにも静かで、まさか神隠しにあったりしないよねと少しだけ不安になった。

 不安を感じたのはたぶんこの場所の雰囲気のせいだったのだろう。カナはすぐに出てきた。トイレを探していたが見つからなかったとのこと。
 お参りを済ませたらまた鳥居の続く伏見稲荷に戻ろう。





4-20鳥居のトンネルは果てしなくへ続く


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