◇◆秋の北志賀小旅行◆◇
果物は好きじゃなくて、こう言うときは見ているだけのパパが、「一粒一粒が大きいやつが美味しいらしいぞ」とか言う。
ブドウは房の根元の方が甘いから、一番さきっぽを食べてみて、甘かったら房全体が甘いんだっけ?
でも食べ放題じゃないし、勝手に房の先を取って食べちゃったりしていいんだろうか。
どの房も綺麗に円錐形に整っているので、一粒つまむのはいけない気がした。
新鮮なうちに食べきれなくてもいけないので、巨峰を二房、ピオーネを二房狩って帰ることにした。
どちらも濃紫色なので、見分けがつくようにピオーネの茎の根元にハサミで切れ込みを入れた。
あれが良さそうだとか、これがいいみたいとか四人でブドウを選んでいるとき、収穫を終えたのかおじさんが通りかかり、これ、一粒食べてみなと巨峰より気持ち小振りなブドウを差し出した。
「皮ごと食べられるから」
へえー、色は違うけどロザリオビアンコみたい。
一粒食べると、甘~い。
巨峰の渋みとロザリオの甘さがほどよく混じっている。
「これ、とっても美味しいです。どこで狩れるんですか?」
おじさんはちょっとすまなそうに、これは狩る用じゃないんだよと答えた。
ぶどう狩りを終えて、さっきのビニールハウスに戻ると、案内してくれた女性がてきぱきと計量してくれた。
私たちが狩ってきたブドウは、粒は大きくても房としてはそんなに大きくなかったので、全部で二千円程度だった。
「あのう、ぶどう狩りしているときにおじさんが食べさせてくれたんですが、紫色で皮ごと食べられるブドウ、あれ、何て言う名前なんですか?」
名前が判ればどこかで買うこともできると思って私は聞いた。
「長野パープルね。ちょうど今、ここで詰めているのよ」
えっと思って見ると、どうも従業員が段ボールに詰めているブドウがさっきのそれだったようだ。
「長野パープル、買うこともできますか?」
「いいわよ。粒が揃っていないから、おまけしておくわ」
1キロ650円と言って、1キロ以上詰めてくれたようだ。
聞いてみて良かったー。
これがナガノパープル。皮ごと食べられるよ! めちゃめちゃ美味しい。オススメ。