3.十勝川でラフティング
かなり上流まで昇ってきたのかなと思った辺りでバスは停まり、みんなはぞろぞろと前の人に続いて降りていった。
そこから徒歩で川原に降りて、川原の砂利の上でいよいよスーツの首元もかぶる。
この作業もまた辛かった。ぎゅむむーっと狭いゴムから顔を出さなくてはならないのだが、着用した後も首が締まっている気がして落ち着かない。
みんな頑張って首を通したのだが、カナはこれに耐えられなかったようでどうしても無理と言った。
結局服がぬれても自己責任ということで彼女一人は首の部分を外したままでラフティングに行くことになった。
TACの担当ガイドの方にはご迷惑をおかけして申し訳ない。
目の前の川は浅瀬になっていてじゃぶじゃぶと入り、準備されたゴムボートにグループごとに乗り込む。
川はY字の合流地点でここからスタート。
ドライスーツは本当に快適でどこからも水が入らない。お風呂は好きだけどぬれるのがあまり好きじゃない私はこのことがかなり嬉しかった。
出発前にガイドからパドルの使い方も習ったが、以前オーストラリアで習ったのと同じだった。前に漕ぐ、後ろに漕ぐ、急流では真上に縦にして自分はしゃがみ体勢を低くする。
説明はごく簡単で、すぐに川下りが始まった。習うより慣れろだ。それに小学生も参加しているのでそんなに激しい流れはなさそうだ。
合流してくる流れに乗ってゴムボートは流されていく。
漕げとと言われても漕いで進んでいるのか勝手に流されているのかわからない。
いつの間にか後ろから小学生のグループの乗ったボートが近づいてきて、向こうのガイドがこちらに水を掛けてきた。
「やったなー」
いつの間にか水の掛け合い。何だか漕いでいるよりも盛り上がっていた。
大人向けのオーストラリアでのラフティングに比べるとかなり初心者向けで、ほとんどボートにしがみつく間もないままゴールに着いてしまった。
最後はあそこから飛び込んでいいですよとガイドが指を差したのは、天然の飛び込み台のように川に突き出した場所。飛び込んでも安全なように水深もあるようだ。
うわーっと小学生の大半が志願した。
ゴムボートをくっつけてその上を渡って岸に上がれるようにし、志願者が次々飛び込み台に上がっていく。
よそのお父さんと、うちのパパも何故か一緒になって飛び込んでいた。
私は高いところが苦手だし、子供たちもこれは遠慮すると言って飛び込まなかった。
その後は川を流れてみたい人と志願を募って、またまた小学生たちはみんなで手を挙げて参加した。
ライフジャケットを付けているので水に浮く。その状態でみんなで仰向けになって手をつないで川を流れてみる。