◆◇かみのやま・赤湯温泉外湯巡り◇◆
大人旅

18.漁師小屋「網元」山形番屋

　メニューを持ってきたお兄さんは焼酎と梅酒は50種類以上を揃えているので間違えないように注文はナンバーでお願いしますと言う。確かにとても種類が豊富だ。パパが何で？と聞くと、地酒を揃えている店はたくさんあるので差別化を図ってみましたという返事。もちろん地酒の品ぞろえが少ないわけではない。
　山形らしい料理がいいんだけどと相談すると、芋煮、寒ブリ、ハタハタ、野菜焼きなどを勧められるて、寒ブリとハタハタ、ホタテ、イクラなどを注文した。
　最初に注文した山椒梅酒のグラスが空になったら、住吉を注文した。
　住吉は某謎の温泉集団一郷一会で新宿の山形郷土料理の飲み屋に集まるときにみんなでいつも注文していた日本酒だ。パパは住吉は初めてだったがお気に召したよう。

　日本酒をグラスに注ぐときは小皿に升を乗せ、升の中にグラスを置いて、その全部が全部満たされるまで静かに注ぐ。
　お兄さんの注ぎ方を見て、前に職場で一緒だった山形出身の先輩がいつもお酒はこうやって注がなきゃって言っていたことを思い出すなぁ。でもここまでいっぱいいっぱいだとどこから飲んだらいいんだよ。どれか一つを持ち上げただけでこぼれそう。

　寒ブリ、ハタハタもとてもおいしかったがイクラの塩加減が絶品。
　私は基本的にイクラは好きじゃないんだけど、ここのお店のこれならいくらでも食べられる・・・って駄洒落じゃないよ。
　次の日本酒に迷っていたら、「麓井の辛口酒 生もと仕込」、「東北泉 本醸造辛口」、「初孫 純米本辛口」、「朝日鷹 本醸造」の四種類を利き酒させてもらえた。さらに「ばくれん 超辛口吟醸+20」も。
　どれもすっごく美味しかったが、特に二人で気に入ったのは麓井の辛口酒と東北泉本醸造辛口。辛いだけじゃなくてとろっとした旨味がある。
　ちょっとやばいよ、こんなに呑んじゃったら。

　話題はいつか行きたい旅行先。
　パパは四国お遍路巡りとシベリア特急。
　お遍路巡りにはスタンダードバージョンのほかに、車で回るとか、番号通りではなく効率よく近いところから回るとかいろいろな方法があると教えてくれた。全然興味がなかったから知らなかったよ。
　シベリア特急に関しては、さらばシベリア鉄道っていう歌が好きだからなんだって。
　その流れから山形番屋を出てからカラオケに行くことになった。カラオケなんて何年ぶり。

　山形の夜は飲みすぎてふらふらで、カラオケ店を出るときにスマホを紛失したことに気付いた。
　思い当るのはさっきの山形番屋だけで、コンフォート山形に帰る前に山形番屋に寄ったら、さっきのお兄さんがすぐに私のスマホを持ってきてくれた。
　もう何から何までお世話になっちゃった。どうもありがとう。
　とってもいい店だったから覚えておこうと思う、山形駅前の漁師小屋「網元」山形番屋。