◆◇四万温泉・積善館の休日◇◆
17.貸切風呂 山荘の湯
今宵最後の一湯に選んだのは山荘の湯。
何と言っても泊まっている鬱金から近いし。
ここは角度を変えて隣り合った二つの浴室がある。
その両方が貸し切り利用するための浴室で、入口の札を使用中に返して入るようになっている。
貸切風呂と言えど、中に入るとかなり浴室が広いことに驚かされる。
床はタイル張りで、やはりタイル張りの円形とアーチ型の浴槽が二つある。
そうなのだ。入ってみると判るが、これは今でこそ貸切風呂として使用されているが、元は二つの浴室がそれぞれ男湯と女湯だったと思われる。
だから浴室が二つあり、それぞれ双子のように似ているのだ。
この山荘の湯を、単なる山荘宿泊者のための男湯と女湯にしないで、貸切風呂として使うというのは良いアイデアだと思う。
単に男湯または女湯に行きたければ、杜の湯なり元禄の湯に行けば良いのだから。
逆に家族やカップルで貸切風呂に入りたければ、本館宿泊でも佳松亭宿泊でも山荘の湯を利用すれば良い。
山荘の湯は広さも中途半端で少し傷みもあり、洒落た感じも小奇麗な感じも特にしないが、円形の浴槽につかって見上げればどことなく元禄の湯に通じる作りの部分もある。
しかし何であんなところにと思うような場所に扇風機が。
隣り合ったもう一つの浴室との境の壁の天井近く。
上層の空気攪拌のためだと思うけど、設置してあるのが頭の部分だけじゃなく胴体も含めて本当に普通の家庭用扇風機みたいで違和感があって笑える。
お湯は溜め湯になっていてぬるかったので、源泉湯口を捻って好みの湯加減に。
誰もいない浴室に湯のしぶく音が響き渡る。
今日はたくさん四万のお湯に入れて大満足。
ぐっすりいい夢が見られそう。
おやすみなさい。