海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

2.いきなり回り道

　カナは昨夜の残ったご飯をおにぎりにすると食べた。
　レナはサーターアンダギーが朝食代わり。
　パパはマンションに備え付けてあった本部町の観光冊子を捲りながら、子どもたちに「今日は遊園地に行くよ」と話した。
　え?　沖縄本島北部に遊園地なんてあったっけ?
　さっきパパが海洋博公園にエキスポランドなんてあるんだなって言ったとき、適当に返事を返しちゃったけど、もしかしてあれのことかな。
　最近のガイドブックで海洋博公園の遊園地のことなんて読んだ覚えがない。
　もしかして、その冊子、すごーく古いんじゃあ・・・と嫌な予感。

　出発したのは朝の9時。
　昨日以上に晴れて、空の青さが目に眩しい。
　名護から58号線を使って本部半島の根元を横断すると、名護湾と反対側の羽地内海まで20分程度。
　うっかりして嵐山展望台行きの曲がり角をやり過ごしてしまった。
　下手に細い道に入るとわけわからなくなりそうだし困った。
　「さっきの道を左へ入るんだった」
　「えっどこ?　もう遅いよ」
　「Uターンできない?」
　「できません」パパきっぱり。
　「じゃあどこで曲がるかな・・・できるだけ大きい道がいいでしょ?」
　この辺りの脇道は、農家のトラクターぐらいしか通らないようなダートもあるので要注意だ。
　「どこで曲がるの?」
　そうまでしてその展望台に行きたいの?と言わんばかりのパパ。
　「馬鹿みたいに遠回りになるけど、県道で曲がることにする。その先、集落に入ったら伊豆味方面への曲がり角があるはず」