海とビーチと
*子連れ沖縄旅行記*

6.台風は去ったけれど

　「パパ、先に海に入る?」
　お先にどうぞという返事が返ってくるものとばかり思っていたら、「じゃ行ってくる」とさっさと準備を始めた。
　パパもシュノーケルを楽しみにしていたみたい。
　おろしたてのシュノーケル三点セットを身につけて、ざばざばと海に入っていった。

　やっと戻ってきた、沖縄の海。
　一年間、長かったよ。
　東京では決して見られないソーダーゼリーのような明るい色。
　この景色を見ているだけで満足だ。
　連休中だというのにまだビーチにはほとんど人けがなく、ほとんど家族専用プライベートビーチのようだった。

　子どもたちは波打ち際で遊んでいたので、パパが戻ってきたところで交替した。
　「どうだった?」
　「うーん、濁っているなぁ。やっぱり台風の影響かな」
　つい先日3号、4号と立て続けに、沖縄は台風に襲われた。
　空は穏やかだけど海中はまだ台風の影響が残っているらしい。
　「それにこのビーチ、去年はちゃんとネットで遊泳区域を区切っていなかったっけ?」
　「いや、あれだけ魚がいたんだからネットは無いはず。でもロープで一応ここまでが遊泳区域だって区切りはつけていたかも」
　「台風でロープ、流されちゃったんじゃないの?」とパパ。
　「・・・まさか」
　いや、後で聞いたらそれは本当だった。
　それどころかビーチの売店の所にも水が入ってきて、本来なら連休前にお客さんを迎えられるようにしておくところ、連休最終日の今日になってもまだ屋根の部分が完成していなかった。
　ということは、来る途中に見たリゾネックス名護の工事も、本当ならとっくに終わっているしろものだったのかもしれない。
　台風で工事が遅れたか、あるいは台風の被害を修復していたか。