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美ら国訪ねて
*子連れ沖縄旅行記*

7.切り札はニモ



 何度目かにパパが一人でシュノーケルしに行った後だ。
 「ニモ、見つけたよ」
 「えっ、嘘っ」
 「撮れてると思うよ」と、カメラを指さす。
 まっさかぁ。
 いくら何でもカクレクマノミがこんな浅いビーチのしかも遊泳区域内にいるとは思えないよ。
 似たようなしましまの魚を見間違えたんじゃないの?
 ハウジングごしでははっきりしないが、カメラの液晶で画像を確認してみると、確かにニモっぽい魚が映っている。
 「何処で見たの?」
 「あの辺」
 私がまだ行っていなかったあたりだ。
 「でももう見つかるか判らないよ」
 本物のカクレクマノミだったらイソギンチャクから離れないはずだから、同じあたりにいるんじゃないかなぁ。
 「どうかな。でも子供たちには内緒にしよう」
 うん。
 もう一度見つかる保証はないのに、ニモがいたとか言うと、見つかるまで騒ぐからなぁ。
 しかし、そのあと結局ニモを探しに行く羽目になってしまった。
 なぜなら・・・。




 「ラブカスみたいな魚もいたよ」と、子供たちと見た魚について話をしているときに私が言ったら、
 「ラブカス見たい」
 「ラブカス見たい」
 カナもレナもいきなり騒ぎ出した。
 ラブカスというのはハート型の魚みたいなポケモンだ。
 母が見たのは単なるチョウチョウウオだったのだが、もういくらそう言っても聞かない。
 「ラブカス!」
 「ラブカス!」
 ラブカス・コールだ。
 どうするよ。
 チョウチョウウオが見つかるかどうかすら判らないのに、チョウチョウウオを見つけたところでこれは本物のラブカスじゃないとか言うだろう。
 ラブカスみたいなって言っただけで、誰もラブカスを見たなんて言ってないよ。

 カナが泣き出した。
 泣くなって、もう。
 パパが起死回生の一言。
 「パパがもっといいものを見つけてあげる」
 最後の切り札はもちろんニモだ。



8-8.クマノミに会えるビーチへ続く


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