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滑川温泉湯治日記2-1


1.つくし

二日目 2004年5月3日(月)


 障子から朝の光が射し込んだ。
 昨夜が早かったから、みんな早起きだ。それに6時頃から既に廊下を行き来する人の足音がする。湯治場は夜も朝も早いようだ。

 いい天気だ。
 子供たちは駐車場の奥でつくしを見つけた。
 カナは小学校一年生で、ひらがなを習うとき「へ」とか「く」とか簡単な字から習い始める。次が「つ」と「し」だ。「つ」を習うとき、必ず教科書は「つくし」の「つ」と教える。「つ」も「く」も「し」も基本のひらがなだからだ。だけどカナは本物のつくしを知らなかった。きっとカナだけじゃない。都会に住む子供たちの中にはつくしなんて見たことのない子が多いはずだ。
 私が子供の頃は、東京に住んでいたがつくしは身近だった。
 絵でしか見たことの無かった本物のつくしを、カナは「かわいい」と言った。

 今日は米沢上杉まつりを見に行こうと思っていた。
 滑川から米沢まで車で40分。
 米沢は上杉謙信で有名な上杉家の城下町として知られる。
 毎年ゴールデンウィークは米沢市をあげて米沢上杉まつりを開催し、特に5月3日はハイライトとして午前中は市内の目抜き通りを騎馬武者や鼓笛隊の行列が行進し、午後2時からは松川河川敷で川中島の合戦を再現する。
 何だか面白そうだ。


滑川温泉福島屋と前川の間を散策するカナ。
今日もいい天気。 つくしや、トウのたった蕗の薹があちらこちらに。


 朝食を食べた後、9時過ぎに出発。
 よく晴れた春の山を下る。
 栗子温泉のところで廃墟になりつつある栗子クアドームDUOを見た。
 よく米沢十湯と言われる。しかし、今、実は9湯しか入れない。
 米沢市のホームページでは米沢十湯と書いて9湯しか紹介していないし、るるぶなどのガイドブックは白布温泉に二軒の施設を入れて、いっけん十湯であるかのように見せている。
 栗子温泉はスキー場を経営する傍ら、スライダーなど備えた常夏リゾート風室内プールを営業していたが、昨年赤字がかさみ、ついに廃業してしまったという。
 プール施設は一部壊され、スキーシーズンが終わったからか今はホテル棟も進入禁止になっていた。
 子連れにはありがたい施設で、今回の旅行でももし雨の日があればここで遊ぼうと思っていただけに、廃業を知ったときには残念に思った。


廃墟と化しつつある栗子温泉。
既に栗子温泉と書かれた看板の下あたりは取り壊しが始まっていた。

これもバブルの遺産の一つなのか・・・。




2-2.上杉行列パレードルートへ続く


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