◆◇長崎旅行記◇◆
小浜温泉湯祭りとハウステンボス
窓の外の景色は相変わらず暗い灰色だ。
時折細かい霧のような雨が降ってくることもある。
今日の佐世保は降水確率10パーセントじゃなかったのかい。
いつまでたっても晴れてくる様子は無い。
シーサイドライナーは帆場岳を潜る長いトンネルを抜けて、現川という駅で時間調整のため少し停車した。
その後、諫早を過ぎてさらに行くと、やがて大村湾の泥色に濁った海が見えてくる。色が悪いのは天候のせいだ。
線路はこの先海に沿って進む。
諫早から先はほぼ雨だった。
ふいに何の前触れも無く海の色が変わった。
雲にわずかな切れ間ができてそこから日が差したのだ。
わずかな太陽の光がなんて嬉しかったことか。
斜め前方に巨大な宮殿のような建物が見えてきた。
あれがハウステンボスかー。
やっぱり天気予報は当たりだ。
じゃなくて、当たりなのは私たちの運か。
私はその時見えたのがハウステンボスだとばかり思い込んでいた。
初めてハウステンボスに行く多くの人が同じ過ちを犯すと思うが。
既にハウステンボスを知っている人なら車窓から見えた豪華な宮殿の正体は判っているに違いない。