湯田中温泉 湯田中大湯

湯田中温泉の共同浴場の中心的存在 共同浴場番付東の横綱

  • 所在地 〒381-0401長野県下高井郡山ノ内町湯田中温泉 TEL 0269-33-2851(湯田中温泉旅館組合)
  • 泉質 ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
  • 設備等 男女別内湯
  • 入浴料 無料 ただし鍵がかかっている
  • 休業日 毎月3、11、18、26日の9時から17時は清掃のため入浴不可
  • ※基本的には地元の人と湯田中温泉の宿に宿泊したお客さん対象の共同浴場。宿泊者は宿泊先の旅館で鍵を借りて入浴するシステム。宿泊者以外の人は、湯田中温泉よろづやのフロントで「ぜひ湯田中大湯に入浴したい」とお願いしてみよう。
お得情報渋・湯田中温泉湯郷めぐりに便利な渋・湯田中温泉郷共同浴場マップも併せてご利用下さい。他の渋・湯田中温泉郷共同浴場情報を調べる目次としても利用できます。

[2004年11月及び2009年5月のデータ]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 湯温は熱めだが二槽に分けて温度差をつけてある
  • 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆ 赤ちゃん向けの設備などは特にない

湯田中温泉 湯田中大湯 体験レポート

湯田中大湯外観

 「雪ちるや わき捨ててある 湯のけぶり」と湯田中温泉のことを詠んだのは、孤高の俳人 小林一茶である。
 幼くして母を亡くし、その後も孤独に耐え続けた彼の句碑が立つのは、湯田中の温泉街。
 なかでも最も風情を残す、梅翁寺や湯田中よろづやといった老舗旅館の並ぶ一角には、句碑とともに湯田中温泉発祥の場所に立つ共同浴場、大湯がある。

 思っていたより大きな建物で、共同浴場と言うより旅館のようにも見える。
 湯田中大湯は日本温泉協会が発行した雑誌「温泉」47巻10月号で、共同浴場番付東の横綱に選ばれた由緒ある外湯だ。ちなみにこのときの西の横綱は道後温泉、そして湯田中近隣の渋温泉も東の前頭に選ばれている。

 薄暗い浴室をイメージしていたが、中は明るく新しい感じだった。たぶん床の簀の子を張り替えてあるのでそう感じるのだろう。
 天井が高く鯖湖湯小野川尼湯のように脱衣所と浴室が繋がった作りで、浴槽は細長く二つに仕切られている。
 地元の人が何人か入浴中で、うち一組は親子連れだった。

湯田中温泉 湯田中大湯の浴室 湯田中大湯の湯口
湯田中大湯の浴室と湯口

 二つに仕切られているのは温度を変えるためで、上の方は仕切があるが下は繋がっている。なるほど、熱い湯は上に、ぬるい湯は下に行くから、下だけ繋げておけば湯口から遠い方は何もしなくてもぬるい湯になる。

 熱いといっても、まあ適温。昨日の安代大湯に比べればまるで熱くない。
 誰かぬるめたのかな・・・まあ、その可能性は大有りだろう。
 無色透明で肌に染み渡るようなお湯で、印象は安代温泉にとてもよく似ている。昆布出汁臭は共通だが、さらにここの昆布は焦げている。焦げ昆布の臭いといったところだ。
 羽毛みたいな白い湯の花が少し舞っている。ぬれたまま腕をこすったときのオイリーなぬるぬる感も少しあった。

湯田中大湯の浴室 湯田中大湯の脱衣棚
湯田中大湯の浴室と脱衣棚。浴室の画像はクリックで拡大。

 湯口のところに動かせる木の枠があって、湯口のお湯を浴槽に入れたり、入れずに洗面器に移したり自由にできるようになっている。

 壁に明治19年に当時の陸軍の軍医が定めた湯田中大湯の入浴法がかかっている。
 旧仮名遣いで、浴後に顔を冷やせとか、入浴中に顔や頭を冷やせとか書いてある。さぞやこのお湯で倒れる人が多かったんじゃなかろうか。

湯田中大湯の入浴法 湯田中大湯には赤いポストがよく似合う
大湯入浴法と、胴丸のポストと大湯の外観

 湯田中渋温泉郷の外湯は基本的に鍵が掛けられている。
 地元民とその温泉地の宿泊者のみが鍵を手に外湯巡りが出来るようになっている。
 私は山ノ内町の開催するイベントに参加して湯田中大湯にも入浴させてもらったが、そうでなくても大湯の隣に建つ湯田中よろづやでお願いすれば特別に鍵を開けてもらえるようだ。
 無料で入れて当然・・・ではなく、特別に入らせていただけるご厚意に感謝して入浴したい。