◇◆冬の群馬◆◇
雪煙と湯煙旅

3.谷川温泉から宝台樹へ

　昨日とはうってかわってどんよりした空模様だ。
　天気は下り坂と知っての延泊なので仕方ない。
　昨日のような青空の下でスキーできたら楽しかったろうが、その分昨日は旅館たにがわの貸切露天風呂でのんびりさせてもらった。
　雪や雨さえ降ってこなければ別に問題ないだろう。
　寒いのはもう耐えるしかない。

　谷川温泉からまた水上温泉を経由してさらに北上。
　途中、うのせ温泉で奥利根館の看板が見える。
　「確かさぁ、昔、奥利根館に泊まりたいって言ってなかったっけ。あと、水上温泉の水上館とか。ほら、まだ温泉マニアになる前、一般人のころ」
　誰が温泉マニアじゃ。
　「そういえばそうだったねぇ。今も泊まりたいよ、奥利根館なら。でも旅館たにがわの方がもっといいや」

　湯桧曽の手前で県道の水上片品線に入り、長細いダム湖の藤原湖を左手に見下ろしながら山道を行く。
　曇り空の今日は空も湖も雪を被った枯れ木もみんなモノトーン。寒そうな景観だ。