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◇◆冬の群馬◆◇
雪煙と湯煙旅

2.鍵と情報を両方ゲット






 不思議に思ってもう一度外に出てみると、地元の女性がちょうど男湯の方から出てきた。管理業務をしていたのかもしれない。
 「あのー、実は私、みやま荘に泊まっているのですが、ここ以外の共同浴場の場所を教えていただけないでしょうか」と私は言って、もう昨日松の湯には入ったという話をした。
 「そこの道を右へ行くと竹の湯というのがあるわよ」
 「竹の湯にも昨日入らせていただいたんです。あと二つの場所を教えていただけると有り難いのですが」
 「後はね、左へずっと行くと湯本館があるでしょ。湯本館の手前に左に入る細い道があるから、そこに一ヶ所あるわ。さらにその道の先にもう一ヶ所。あなた、鍵は持ってる?」
 「いや、実は・・・」
 事情を説明するとその女性は困ったように「私も松の湯の鍵しか持っていないから・・・最近、鍵を取り替えたばかりなのよ。もしかしたら別の共同浴場は鍵が無いと入れないかもしれないわよ」と教えてくれた。
 「・・・判りました。もう一度旅館に戻ってみます。もしかしたら鍵が戻ってきているかもしれないし。どうもありがとうございました」
 お礼を言って飛び出した私。
 石畳の道に戻ると、何と前方を見覚えのある茶色っぽい作務衣姿の人物がゆっくり歩いているではないか。

 HIROさんだ。

湯宿で見つけた可愛らしい道祖神



 「HIROさーん!!」
 昨夜のオフのメンバーの一人、HIROさんがこの時刻に石畳を歩いているということは、目的は共同浴場での朝風呂に違いない。そう、彼は鍵を持っている可能性大だ。
 「HIROさんっ、もしかして鍵、持っていませんか?」
 息を切らしながら走ってきて問いつめる私に、HIROさんは何をそんなに真剣な顔でと言わんばかりに鍵を取り出して見せてくれた。
 「あーっ、これこれっ」
 「何だ、探していたの? みんな朝、起きないんだもの。一人で風呂に行ってきたよ」
 HIROさんは竹の湯帰りだった。聞けば、やはり松の湯と竹の湯以外の場所は知らないと言う。
 「ふっふっ、今そこで残る二ヶ所の場所もリサーチしてきましたよ。HIROさん、一緒に行きませんか?」
 「うん、いいねぇ」
 やったー。
 宿を出るときには鍵も場所も判らなかったのに、ばっちり両方ゲットしたぞ。



2-3窪湯へ続く


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