2.湯宿から片品へ
えっ、あれ? 無い・・・。
フロントは昨夜同様無人で、しかも昨夜私が置いた共同浴場の鍵が無い。
どこか鍵置き場があって、そこに仕舞われているのか、あるいは早起きした誰かが朝風呂に使っているのか・・・。
きょろきょろとフロント周辺を見回したが、それらしいものは見つからなかった。
困った・・・。
もうひとつ困っていることがある。
昨日も書いたが湯宿温泉には共同浴場が四つあって、昨夜は松の湯と竹の湯に入ることができた。
今朝は残る二つに入ってみたい。
が、しかし、私は場所を知らないのだ。
部屋においてある約款やパンフレット類が挟まれたファイルにも湯宿温泉内の詳細地図など無かった。
鍵は無いし場所は判らないし誰もいないし・・・。
迷った私はこんな結論を出した。
松の湯と竹の湯に行ってみよう。もしかしたら鍵が見つかるかもしれないし、地元の方がいたら残る共同浴場の場所を知ることができるかもしれない。
二日目 2008年2月10日(日) |
絶対起きられないと昨夜は思ったが、窓の外が白んでくると自然と目が覚めた。
携帯電話で時刻を確認すると午前7時。
確か昨日のえんぴつさんたちの話では、夜は4時から9時まで、朝は6時から8時まで共同浴場に入れるという話だったはずだ。
今からなら間に合う。
そう思って布団から出て玄関まで来てみたのに、何しろ鍵もないわ、場所も判らないわで逡巡することしばし。
ようやく方針を決めて、私はみやま荘の外に出た。
雪は止んで静かな朝だった。
積もると言うほどの雪の量では無かったらしく、石畳の上はうっすらと白くなっているだけだった。
昨日一度迷っているので、注意しながら松の湯に至る曲がり角を探した。
溝の隣に伸びる道だと覚えていたので、もう迷わない。
塀と民家の間を行くと、松の湯が建っていた。
何故か男湯も女湯もドアが開きっぱなしになっている。
鍵がかかっていないとかそういうのではなく、ドアが思いっきり開放されている。
まさか清掃時間か何かなのだろうか?
女湯の方をそうっとのぞいてみた。
無人だ。
ドアから脱衣所、浴室まで全部繋がっているので、すぐに誰もいないことが判る。
男湯の方ではガタガタと音がしている。誰かいるらしい。
でもドアはやっぱり開けっ放しだったのだから、入浴者ではないと思う。
不思議に思ってもう一度外に出てみると、地元の女性がちょうど男湯の方から出てきた。管理業務をしていたのかもしれない。
「あのー、実は私、みやま荘に泊まっているのですが、ここ以外の共同浴場の場所を教えていただけないでしょうか」と私は言って、もう昨日松の湯には入ったという話をした。
「そこの道を右へ行くと竹の湯というのがあるわよ」
「竹の湯にも昨日入らせていただいたんです。あと二つの場所を教えていただけると有り難いのですが」
「後はね、左へずっと行くと湯本館があるでしょ。湯本館の手前に左に入る細い道があるから、そこに一ヶ所あるわ。さらにその道の先にもう一ヶ所。あなた、鍵は持ってる?」
「いや、実は・・・」
事情を説明するとその女性は困ったように「私も松の湯の鍵しか持っていないから・・・最近、鍵を取り替えたばかりなのよ。もしかしたら別の共同浴場は鍵が無いと入れないかもしれないわよ」と教えてくれた。
「・・・判りました。もう一度旅館に戻ってみます。もしかしたら鍵が戻ってきているかもしれないし。どうもありがとうございました」
お礼を言って飛び出した私。
石畳の道に戻ると、何と前方を見覚えのある茶色っぽい作務衣姿の人物がゆっくり歩いているではないか。
HIROさんだ。
「HIROさーん!!」
昨夜のオフのメンバーの一人、HIROさんがこの時刻に石畳を歩いているということは、目的は共同浴場での朝風呂に違いない。そう、彼は鍵を持っている可能性大だ。
「HIROさんっ、もしかして鍵、持っていませんか?」
息を切らしながら走ってきて問いつめる私に、HIROさんは何をそんなに真剣な顔でと言わんばかりに鍵を取り出して見せてくれた。
「あーっ、これこれっ」
「何だ、探していたの? みんな朝、起きないんだもの。一人で風呂に行ってきたよ」
HIROさんは竹の湯帰りだった。聞けば、やはり松の湯と竹の湯以外の場所は知らないと言う。
「ふっふっ、今そこで残る二ヶ所の場所もリサーチしてきましたよ。HIROさん、一緒に行きませんか?」
「うん、いいねぇ」
やったー。
宿を出るときには鍵も場所も判らなかったのに、ばっちり両方ゲットしたぞ。
石畳の道は真っ直ぐ湯本館へと続いている。
昨日迷って、湯本館の手前を直角に左折したら国道に戻ってしまったが、確かによく見ると、直角に曲がる道だけでなく斜め左前方にもう一本細い道が伸びている。
先ほど地元の方が教えて下さったのはここのことだろう。
曲がって直ぐにお宮のような建物があり、湯宿温泉薬師瑠璃光如来が祀られていた。
薬師如来の先で道はカーブしていて、そこを曲がると直ぐに窪湯が見えた。
私は知らなかったが、HIROさんはここが湯宿で一番有名な共同浴場だと言った。
男湯のドアが薄く開いたままになっている。
それを見たHIROさんは、男湯は鍵が無くても入れそうだし、自分は窪湯に入ったら宿に戻るからと私に鍵を渡してくれた。
女湯は鍵が掛かっている。
この鍵が無いと開けられないようだ。
私は鍵穴に、今HIROさんから譲ってもらったばかりの鍵を差し込みそっと窪湯のドアを開けてみた。
思った通り誰もいない。
窪湯の印象は、その堂々とした湯小屋の造りといい、石造りの浴槽といい、昨日の竹の湯とよく似ていた。
ただ浴槽の形は異なる。長方形の角をひとつ欠いた形になっていて、少し高いところから音を立てて湯が落ちていた。
お湯は猛烈に熱い。
昨日の松の湯はおろか、かなり熱めだった竹の湯とも比較にならないくらい。
イメージ的には
草津の時間湯とか、早朝の
飯坂温泉共同浴場とか、そのくらい。
これが本物の湯宿の温度かと思うほど、きりきりとたぎっていた。
何度も掛け湯をして、入っては直ぐに出てを繰り返した。
ふくらはぎが痛くてゆっくり入っていられない。
軽いきしつきと甘い石の臭い。
湯の花は見あたらず、どこまでも透明。
流石の私でも熱すぎて、ゆっくりと入る気持ちにはならなかった。
後でHIROさんに聞いた話では、男湯は先客がいて、既に適温までぬるめられていたそうだ。
そして窪湯を出るときに私は気づいた。
ドアの内側に木の板が打ち付けてある。
これを回転させて挟めばドアが閉まりきらないようにできるのだ。
男湯はこれを挟んで開けっ放しにしてあったようだ。
湯宿温泉の共同浴場は基本的に鍵が無いと入れないが、地元の方や鍵を持っている人がこの板を挟んでくれた場合だけ、鍵のない外来者でも入ることができるというわけか。
ということは、とにかく湯宿宿泊者をのぞき、共同浴場に入りたい人は行ってみないと入れるかどうか判らないわけだ。夕方の入浴客の多い時間帯なら開いている確率は高いだろうが、今回の窪湯のように男湯だけ入れて女湯は鍵が無いと入れないということもあるし。
ドアの横に手書きの張り紙があった。
「ドアの止めてある木をいじらないで下さい 世話人」
これは木を挟むなという意味だろうか?
それとも挟んである木を外すなという意味だろうか?
どちらにせよ、地元の人でない私たちは触ってはいけないという意味だろう。
この木がドアの横から外されて、完全に鍵無しでは入れない日が来ないよう、私たちはもらい湯の精神を忘れてはいけない。
HIROさんがもう上がったかどうか判らなかったが、私は窪湯を出た後、今度は最後の一軒を目指した。
窪湯のあった通りをさらに先へ進むと、ほんの2、3軒先に小滝湯と書かれた共同浴場が建っていた。
あまりにも近すぎる。
たぶん管理利用するグループが窪湯とは違うのだろうが、こんなに近いところに二つ作らなくてもと思うくらいに近かった。
小滝湯の女湯も無人だった。
やはりここも鍵が無くては入れないところだった。
中の造りは松の湯と似ていて、ドアを開けるとそのまま脱衣所、浴室と全て繋がっている。
お風呂は長方形で、浴槽の底はタイル張りだ。
無色透明なお湯がなみなみと満たされている。
しかし小滝湯のお湯は拍子抜けするほどぬるかった。
まあゆっくり入るにはいいけど。
あまりにぬるかったので、後でみやま荘の方に源泉が違うのか聞いてみたが、昨夜の松の湯での地元の方の話同様、湯宿温泉内の旅館も共同浴場も湯本館の源泉一本を共同で使用しているという話だった。
近くの誠法館は赤岩温泉で別源泉だが、他はみんな同じとのこと。たぶん朝一番で入った誰かが加水してぬるめたんだろうという結論になった。
それにしても四つの共同浴場の中で松の湯だけが印象が異なるのはどういうわけだろう。
鮮度は今朝の窪湯に敵わないが、濃度というか、感触が異なるような気がする。やけに湯の花も沢山あったし。
源泉を所有しているのが湯本館であるならば、距離的に窪湯の方が近いから引き湯距離も短いということになるはずだが、何となく釈然としない。
湯上がりに体を拭いて脱衣所のすのこに上がろうとしたが、拭くときに跳ねた湯がすのこに飛び散ったのに気づいた。
足ふきに置いてあるタオルでしぶきを拭き取った。
脱衣所と浴室の仕切りがないと、うっかりと足下をぬらしてしまいそうだ。気を付けなくちゃ。
部屋に戻った私と入れ違いにパパも朝風呂に向かったが、共同浴場ではなく宿のお風呂だった。
そうしている間に子供たちも目を覚ましたので着替えを出した。
日曜日の朝7時半からはポケモンサンデーという子供向け番組が放映されているので、子供たちはそれが終わる8時半までは部屋から出るつもりはないようだった。
朝風呂から戻ってきたパパと私は、一足先に朝食を食べてしまおうと思った。
子供たちと一緒に食べるとなんやかやと落ち着かないので。
朝食は昨日夕食会場になった大浴場手前の大広間。
そして想像できたことではあるが、時間になってずらりと卓の並んだ朝食会場に来たのは私たち夫婦の他、えんぴつさん、がっちゃんなどほんのわずかなメンバーだけだった。
朝食の膳は豪華ではないが、宿泊料金から考えたら十二分。
特に温泉卵が美味しい。
みそ汁は私にはちょっと甘すぎたが、えんぴつさんは美味しい美味しいとお代わりをしていた。
のんびり食事をしている間にぱらぱらとHIROさん、きんちゃんさん、ぶーちゃんさんなどいらした。
小枝子パパはみんなにエネルギーを吸い取られたのか顔色が悪い。
おしまいの方に子供たちやyuko_nekoさん。
最後の最後までakemiさんは姿を現さなかった。
朝食後に少し時間があったので大浴場に行ってみた。
昨夜は湯宿共同浴場の松の湯と竹の湯に入ったので、泊まっているみやま荘の大浴場は子供たちを入浴させただけだった。
私は脱衣所までしか付き合わなかったのでお湯には入っていない。
朝風呂が最後のチャンスだと思っていた。
脱衣所も浴室も新しく綺麗。
脱衣所でちょうどあがるところだったぶーちゃんさんに会った。
彼女はきんちゃんさんの奥さんで、お二人は今回のえんぴつさんのオフのためにはるばる山形からいらした。
昨夜の宴会でも底抜けに明るいきんちゃんさんがボケ役で、クールな関西弁のぶーちゃんさんがツッコミ役でひときわ目立つご夫妻だった。
ぶーちゃんさんと別れて浴室に入ると、もわもわと立つ湯気の中、先客が一人。
「失礼しま〜す」と声を掛けたら、それはyuko_nekoさんだった。
みやま荘のお風呂は源泉は共同浴場と共通。
ただ、入りやすいように最初から加水されている。
昨日、今日入った共同浴場だって、半数は入浴客によって思いっきり加水されていたから条件はほとんど同じだと思う。
明るく広々としている分、共同浴場より落ち着いて入れる。
それに浴槽の縁が木造なのがいいよねぇ。
きしきしとした肌触りは共同浴場と同じ。
臭いは薄く、湯の花はかなり大きいものがいくつか。
白い綿の固まりのような湯の花で、触った感触も綿に似ている。その白い固まりの周囲に僅かに茶褐色の別の湯の花が絡まっている。
気が付くと、朝風呂で既に三湯目。
朝風呂は疲れるから入りすぎないようにしないと。
チェックアウトは10時。
きんちゃんさんがどさっと5パックほどの温泉納豆を渡してくれた。
四万温泉の温泉納豆だから、四万温泉そば屋中島屋の小枝子パパのお土産だ。
温泉納豆というのは、四万温泉の電気屋が何故か製造販売している納豆。
実際に温泉を利用して作っている。
ちょうど私がそれを受け取ったロビーの囲炉裏には、私たちの他にも昨夜宿泊したお客さんがいた。そしてじーっとその温泉納豆を見ている。
「どちらからいらしたんですか?」そのうち一人の男性が私に聞いた。
「東京からです」
「ほら、やっぱり東京からだってよ」と、男性は隣に座っていた連れの女性に話しかけた。
「東京からなんですけど、集まったメンバーはいろいろなところから来ているんです。そのうち一人が群馬の四万温泉からきた人で、この温泉納豆はその人のお土産なんです・・・良かったらお一つ如何ですか? ほら、こんなに沢山あるので」
思わず一パック差し出していた。
何だかえらくビックリされてしまった。そりゃそうかもしれない。
「えーと、知らない人からもらうと怪しいかもしれませんが、まあ良かったらどうぞ」
女性が面食らった顔で受け取った。
「・・ありがとう」
温泉納豆の他に、幹事のえんぴつさんから宴会で開けなかったお菓子なども頂いた。
世間は三連休だけど、えんぴつさんオフは一泊だけ。
駐車場では消しゴムさんたちがざりざりと車に積もった雪を掻き落としている。
カナとレナとちび姫ちゃんの子供三人組は我が家の車の後部座席に乗り込んでゲームをしている。
ここで今回のオフはお開きだ。
この後、小枝子パパは四万に戻りそば屋のお仕事。きんちゃんご夫妻は山形に戻った。
えんぴつさん、消しゴムさん、akemiさん、義満さんは水上近くの
諏訪峡温泉諏訪の湯に立ち寄ったところ、何故かばったりと群馬の温泉マニアの帝王 友人のtakayamaさんに出会い、それから谷川温泉の旅館たにがわ、上牧温泉の常生館、総社温泉センターせせらぎの湯などを回ったと聞く。
よもやtakayamaさんに会うとも思わなかったようだが、旅館たにがわに行くことになるとも予想していなかったようだ。旅館たにがわは今回我が家にも縁があった。その話はまたおいおい語ることにする。
そんなわけでみんなの行き先はそれぞればらばらだった訳だが、我が家はどうしただろうか。
実は事前にyuko_nekoさん一家と相談して、もう一泊することにしていた。
yuko_nekoさんちは「かたしな高原スキー場」で子供を遊ばせたいという要望があり、彼女に片品近くの宿を探してもらった。
最初は尾瀬戸倉温泉ふきあげという旅館のコテージを検討したが、やっぱり二食付きにしようと、同じく尾瀬岩鞍のこばやしという旅館を予約した。
大人は7,500円、子供は6,500円と、今回の湯宿温泉みやま荘ほどではないが、なかなかリーズナブル。小食な我が家の子供たちのために、yuko_nekoさんは交渉してレナの分を食事抜きの2,000円にしてもらっていた。
前日の天気予報では曇りでもしかしたら雪かもなどと思われていたが、なんの、うちの晴れ娘たちがスキー場へ行くというなら空は晴れるしかない。
その通り、湯宿を出発した頃は薄曇りだった空模様は、沼田を経由し尾瀬方面に向けて北上するに従いだんだん日差しは明るく青空が広がるようになってきた。
湯宿温泉から片品までは意外に遠かった。
カーナビに「長時間運転が続いています。そろそろ休憩しませんか?」と言われた頃、ようやく着いた。
尾瀬方面から支流を集め南へと流れ下る片品川の上流から、尾瀬戸倉スキー場、尾瀬岩鞍スキー場、かたしな高原スキー場といくつもスキー場が並んでいる。
この中で、かたしな高原スキー場というのはちょっと個性的なスキー場だ。
イメージキャラクターはディックブルーナのミッフィー。
私なんて自分が子供の頃読んでいた絵本から、つい「うさこちゃん」と呼んでしまうけど。
ミッフィーを担ぐだけあって、とにかく子供に優しいスキー場。
以前、yuko_nekoさんに子連れでスキーをするならかたしな高原スキー場がいいと教わったことがあって、我が家も一度だけかたしな高原スキー場で遊んだことがある。
子連れに向いていると言うだけでなく、かたしな高原スキー場は今どき珍しくもスノーボードお断りスキー場だ。
とにかくこんな感じで、かたしな高原スキー場というところは、同じ様な規模ならどこでもいいというスキー場ではなく、わざわざ目的に合わせて選ぶ価値のあるスキー場ということだ。
尾瀬大橋を渡り国道401号線を走ってきた私たちは、左手にかたしな高原スキー場のゲートを見つけた。
本当は宿に行く前にまずスキー場で遊んでいこうと考えていたが、ちょうど入り口前に来たときにパパとがっちゃんの二人は駐車場が混んでいそうだと判断した。
「先に宿に行ってチェックインしちゃおう」
その判断は正解だった。
もう一度片品川に掛けられた橋を渡り、狭い民宿街を抜けて、旅館こばやしの前まで来ると、ちょうど送迎のマイクロバスが出て行くところだった。
「あれに乗せてもらおう」パパとがっちゃんはそう決めた。
子供たちはようやくスキーができるかとわくわくと車を降りる。
しかし今朝の明け方まで飲んでいたyuko_nekoさんは「私は行かない」と言い出した。
「じゃ、私も残るね」
実はあまりスキーをしたくなかった私。
スキーが凄く嫌いっていう訳じゃないけど、基本的に寒がりの私はできれば冬はアウトドアにいるよりもあったかい温泉に入ってぬくぬくしていたい。
昨シーズンの新潟旅行でも同じ様なことがあったっけ。
私とyuko_nekoさんは日帰り温泉の
ナステビュウ湯の山で待っていて、パパとがっちゃんと三人の子供たちが松之山温泉スキー場に遊びに行った。
「よろしくね〜」
パパは何か文句の一つでも言いたそうだったが、yuko_nekoさんの決定には逆らえない。
結局、男性陣と子供たちは旅館こばやしの送迎バスでかたしな高原スキー場に送ってもらい、私とyuko_nekoさんの二人は旅館で休んでいることになった。
片品の旅館こばやしは、料金から考えて民宿的な宿だと思っていたが意外に立派な建物だった。
昨晩泊まった湯宿のみやま荘よりはちょっと高めだが、それでもスキー場近くの温泉旅館にこのシーズン二食付きで泊まるとしたら、普通ならもうちょっと予算が必要だと思うところだ。
入り口を入って直ぐに囲炉裏がある。
部屋も綺麗でそこそこ広かった。
私たちの部屋の隣にまるでお風呂場のような男女別の暖簾が掛かっていたが、それは大浴場ではなく何故かトイレのスペースだった。
yuko_nekoさんは部屋に入るとすぐに横になってしまったようだが、特に眠りたかったわけではない私は、所在なく囲炉裏のところに戻ってきた。
囲炉裏のスペースは一段高くなっていて畳敷き。周りに本や漫画がぎっしり詰まった本棚が置かれている。
暇なので漫画をぱらぱら捲っていた私に、宿の人がどうぞとみかんをふたつくれた。
初めは暖かく思えた囲炉裏端だが、1時間過ぎ、2時間過ぎるうちにだんだんと冷えてきた。
後から知ったが、そのスペースは周りの戸を閉められるようになっていたし、暖房も置いてあったのだがそのときは気づかず、寒さが身にしみた私はついにyuko_nekoさんを起こしに行くことにした。
そういえばお昼ご飯も食べていなかった。
スキー場の送迎バスは、4時45分にパパたちを連れて戻って来るはずだ。
今の時間は2時半。
食べるつもりなら急がなくては。
yuko_nekoさんは部屋で熟睡していた。
悪いなーと思いながらも起こした。
こばやしの従業員のお兄さんに部屋の鍵を預ける際に、近くに食事できる店はないか聞いてみた。
「ちょっと走ったところに釜飯屋がありますよ」
よし、お昼ご飯は釜飯にするか。
ところが走り始めてしばらくすると・・・
「あっ、釜飯屋」
通り過ぎてしまった。
「左にUターンできそうな道があったよ」
また通り過ぎてしまった。
ペーパードライバーの私は運転はyuko_nekoさん任せだ。
そしてyuko_nekoさんちは先日車を買い換えたばかりで(デリカからパジェロへ)、yuko_nekoさんはまだほとんどこの新しい車を運転していないそうだ。
「慣れていなくてねー」
うんうん。無理はよくない。
もうしばらくターンできそうな道は無い。
「この先は?」
「おじさんの温泉にも寄ろうと思ったんだけど」
もちろん私とyuko_nekoさん。出てきたからにはご飯だけで帰ろうとは思っていない。
「そこは食事はできないの?」
「うどんとかぐらいは食べられるよ」
「じゃ、そこでいいじゃん。お風呂と食事、一石二鳥」
「よし、決まりだー」
おじさんの温泉というのはyuko_nekoさんが呼んでいる名前で、もちろん正式名称ではない。
yuko_nekoさんが以前、ちび姫ちゃんとしょっちゅう通っていたという彼女の馴染みの温泉だ。
「日帰り温泉なんだけどね、民宿もやっていて、えーと名前は何だったかなぁ、"神"がついたような気がする」
「"かみ"?」私は片品方面の温泉はまったく不案内だ。
知っているのは・・・以前、ひょんな縁から泊まった
片品温泉うめやと、寒い時期に入った
幡谷温泉ささの湯ぐらいか。
この辺りには日帰り温泉も多く、こうして走っている間にも摺淵温泉 水芭蕉わたすげの湯だとか、花咲の湯だとか次々と看板があらわれる。
県道から武尊方面に曲がるとちょっとした民宿街のようになっている。
「この辺の民宿はかなり寂れていたんだよ。温泉が出たのは割と最近で、そうでないとあまり売りもないものね」と、武尊周辺の事情に詳しいyuko_nekoさん。
確かに今は民宿のほとんどに温泉が引かれているようだ。
ついに名称を思い出せないまま、現地に着いてしまった。
直前に看板があって、それを見てようやく名前が判った。
花咲温泉しんめいの湯。
"しんめい"を漢字で書くと"神明"なので、yuko_nekoさんは神という字を思い出したらしい。
しんめいの湯のご主人が印象深いおじさんなので、ずっとおじさんの湯という愛称で呼んできたようだ。
しんめいの湯は日帰り温泉ながら非常にこぢんまりとした施設だった。
何より驚いたのは、受付の料金表が、
- 初めての人 500円
- 宿の紹介 400円
- 来たことある人 400円
- リフト券持っている人 400円
- mixi会員 400円
- 子供 300円
と、あること。
宿の紹介やリフト券で割り引く施設は他にもあるかもしれないが、リピーター確認は自主申告?
果てはmixi料金なんてある施設を初めて知った。
変わった日帰り温泉だ。
「おじさん、mixiやってるの?」と、yuko_nekoさんが聞くと、おじさんは訛りの強いイントネーションでコンサルがやれって言うからというような話をした。
どうもこの辺りの民宿などが集まって専門の業者に人気の出るコツなど伝授してもらったときに、mixiにも入った方が良いと教えられたようだ。
私個人にしてみると、mixiに入って営業しろなんていうコンサルタントはろくなもんじゃないと言う気がするが、果たして利益は上がったんだろうか。
聞くとコンサルタント料というのは相当取られるらしいから。
ちなみにmixiと言うのはいわゆるソーシャルネットワークサービス=SNSと呼ばれるもので、中身は日記ブログや趣味サークルの掲示板みたいなものだが、既に会員になっている人からの紹介がないと入会できないため、日記ブログは日記ブログでも内緒話や内輪話専用みたいなものだ。
但し、紹介者がまた紹介してまわるため、あまりにも入会者が増えすぎて、内緒話をしたつもりが全国に触れ回ったのと同じ状態になることもあって、たまに犯罪者など摘発されていたりする。
自分が書いた日記に訪問者があると、その足跡(ID)が残ることから、足跡返し、すなわち訪問してくれた人を訪問する人も多く、それを目的に他人の日記を訪問しまくる人もいる。
そこで「ははぁ」と思った人もいると思う。
つまり営業活動の一環としてmixiをしろっていうのは、他人の日記に足跡をつけまくって自分の日記(すなわち自分の施設の広告)に誘導しろということに他ならない。
たまにネット上で見る怪しい広告のひとつに「mixiで100万円稼いじゃいました」みたいなものがあるが、これだって基本は同じ。足跡をつけまくって誘導して、情報素材(中身は「こうすれば儲かる、すなわちmixiに足跡をつけまくれ」っていうそのものとか)を売りつけようというだけ。
ああっと、話が逸脱した。
別にmixi自体は悪いものでも何でもない。
交流のための場だから、交流のために利用するのは構わないと思う。
ちなみに私のmixiはこれだ↓
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=6591651
ヒミツにしているものは無いので、元々掲示板などで交流のある方からのマイミク申請は前向きに受け止めます(mixiらしい活動を何もしていないけど、それでも良ければ)。
というわけで、私はmixi会員なので有り難くmixi会員料金で入館させてもらった。
yuko_nekoさんはmixi会員でもあるが、その前にさんざんリピートしているので一応リピーター料金で(金額は同じだが)。
しんめいの湯の食事内容についてうかがうと、うどんと釜飯ができると言う。
もう昼食にしては遅い時間だったので、夕食に響かないよう私とyuko_nekoさんはきつねうどんを注文した。
「お風呂に入る前に食べる? それとも後?」
ちょっと考えて、お風呂の後にした。そうすれば、お風呂から上がったときにちょうどうどんができているに違いない。
「じゃ、先に入ってきますので」
浴室は受付の真後ろだった。
どうも誰も入っていないようだ。
それほど大きくはない岩風呂で、4、5人サイズだろうか。露天風呂などは無い。広すぎないところが逆に落ち着く。他に誰も入っていなければ十分な広さだ。
お湯はとろみがあって無色透明。
ほんのりと何かの臭いがするが例えるのは難しい。
軽いきしつきとすべすべする感じが共存している。
何故かどぼどぼと出ている湯口のお湯は循環湯で、浴槽の底に這う白っぽいホースから源泉が出ているようだ。
ホースを持ち上げて源泉に触れた。
湯口からこっちを出せばいいのに。
「私ねー、桧のボディーソープって好きじゃないのよ」とyuko_nekoさん。
なんで? 温泉には合っているような気もするけど。
「人工的な臭いじゃん」
ああ、まあ、言われてみれば。
しんめいの湯のお風呂をゆっくり堪能して、そろそろ出ようかと私たちが思った頃、どやどやと他のお客さんたちが入ってきた。
ちょうどアフタースキーに温泉に入ろうと思う客が来る頃合いらしい。
玄関の辺りも賑やかになってきた。
お風呂上がりにぴったりのタイミングでおじさんはうどんを出してくれた。
喉が渇いたので自販機で飲物を買って、しんめいの湯の休憩室でくつろいだ。
休憩室の真ん中に置かれた大型ストーブに火を入れながら、おじさんは昨今の灯油代の高騰を嘆いた。
「20リットル入れても一日で使い切っちゃうんだよ」
原油高のあおりを受けて、しんめいの湯がつぶれちゃったら困る。
「豆腐が入っているのって変わっているかな」
きつねうどんは揚げだけじゃなくて豆腐入り。
お腹が空いていたから息も付かずに食べてしまったが、見た目より量は多くてお腹一杯になってしまった。今夜の夕食が全部食べられるか心配になるくらいに。
こうしている間にも次々と入浴客がやってくる。
さっきまでの閑散とした雰囲気が嘘のようだ。
私とyuko_nekoさんは先にお風呂に入っていて良かったねと肯き合った。
「ごちそうさま」
あまりゆっくりしていると、パパと子供たちがかたしな高原スキー場から帰ってきてしまう。
私たちはそそくさと上着を着てズックが散乱する玄関を後にした。
「渋滞とかに引っかからないよね?」
結構道は混んでいるような気がする。だいたい日帰り温泉が混み始めたってことは、スキーを終えた人が多いってことだ。
「大丈夫・・・だと思う。沼田ICへ向かう人が多いはずだから」
そこでふと思い出した。
「・・・私たち、うどん代、払ったっけ?」
そうなのだ。
私たちもおじさんもうどん代のことをすっかり失念していた。
お風呂に入る前は入浴料しか払っていない。
慌ててyuko_nekoさんは車をUターンさせた。
無銭飲食になっちゃう。
おじさん、ごめんね。
まだ5分と走っていなくて良かった。
引き返したしんめいの湯の玄関は更に靴が増えていた。おじさんも大忙しだ。
窓口でごめんなさいとうどん代を出したが、おじさんもあれ? もらっていなかったっけ?と呑気なものだった。
4時半前には何とか宿に戻ることができた。
でも部屋に戻って窓から外を見下ろすと、ちょうど旅館こばやしの送迎バスがかたしな高原スキー場の送迎に出て行くところで、結構ぎりぎりだった。
スキー場の様子は後からパパに教えてもらった。
とにかく直接行かず、いったんチェックインして宿の送迎バスで行ったのが大正解だったとのこと。
「駐車場の入り口が果てしなく渋滞しているんだよ。お昼頃にあれじゃ、後ろの方に並んでいる車はいつ入れたか判らないくらいだって。我々は送迎バスだろ、渋滞をスルーして真っ直ぐ入れてさ、良かったよ」
ファミリーに優しいスキー場、いまどきボーダー禁止のスキー場、ミッフィーちゃんのスキー場、個性を売りにしているかたしな高原スキー場は人気の割に駐車場のキャパが無いようだ。
宿の送迎バスを使うという方法は今後も使えるかも。
「流石に子供に配慮したスキー場だけあって、カナやレナも滑りやすそうだった。カナとレナの二人だけでリフトに乗ったんだよ」
「え〜っ」
「子供三人に対して大人が二人しかいないだろ。必然的にカナとちび姫ちゃんが一緒のリフトに乗ることになって、そうするとレナが対抗心を燃やしてさ」
「ふ〜ん」
「それに子供たちだけで滑っていたよ」
「え〜っ」
「俺がちょっとトイレに行っている間に、がっちゃんに付いてこなくていいって子供たちが言ったらしくてさ」
「で?」
「俺が戻ってきたらもう子供たちだけで滑ってんの」
びっくりしたー。
「かたしなは安心だよ。リフトの係員も子供に配慮してくれるし」
まあ年末年始の行きつけだったまつだいファミリースキー場辺りも地元の小学生はみんな一人でリフトに乗ったりしているけれども。
旅館こばやしは部屋の広さや作りなどは綺麗で旅館らしさがあったが、夕食はまあ合宿所や民宿クラスだった。
といっても湯宿のみやま荘には負けるものの料金から言えば十分だと思う。
夕食は大広間で、ちょうど隣のテーブルにいた一家も家族連れ。幼稚園生ぐらいの男の子がいる。
パパが私をつついた。
「あの子にさっきお風呂で会ったんだけど、おじさん、彼女いるって聞かれた。自分はいるんだって自慢されちゃったよ」
・・・。
「で、あなたは何て答えたの?」
レナが「ママが彼女だよね」と言う。
ちらちらとみんなでその子を見た。
きっと彼女は幼稚園のクラスメートかな。彼女できたのが嬉しかったから自慢したくなっちゃったんだよね。子供でも男の子だね。なんか微笑ましい。
もしかしてパパ、負けてる?
食後は部屋に戻って。
ちび姫ちゃんの部屋は突き当たりだけど、カナやレナと一緒にいたいから私たちの部屋に来る。
外と中の温度差で窓ガラスが曇っている。
そこにちび姫ちゃんが指で「すき」と書いた。
誰のことかなぁ。そういえばみやま荘のお風呂で誰かにチョコあげたって話を聞かせてくれたよね。
後から部屋に入ってきたうちのパパが「すき」の前に「パパが」と書いた。
それを見てレナが「すき」の後ろに「じゃない」と書いた。
子供たちを連れてお風呂に行くと、もう三人は自分たちでちゃっちゃと支度して入ってくれる。
私もついでなので一緒に入った。
旅館こばやしの公式サイトではTOP頁に温泉うんぬんと書いていない。
一応「館内のご案内」などクリックしていくと、天然温泉を引いていると書かれているが、どんな温泉なのかといった記述は無い。
そのせいか、温泉目当てに寄る人もあまりいないのか。
後でフロントで立ち寄り入浴できるかうかがってみたが、受付時間はもとより料金すら「500円ぐらいかなぁ」と至極適当であった。
そんなこんなであまり温泉の期待はしていなかったのだが、以外にも結構良い温泉だった。
閑野湯という単純泉を引いていて、色は無色透明ながら湯の花も少し。
柔らかいゆで卵のような硫黄の臭いもして、特に湯口の近くではそれがはっきりと嗅げる。
肌触りは軽くきしきしとしたもので、湯上がりはすべすべと滑るよう。
お風呂はおまけ程度と思っていた私はかなり満足した。
ゆっくり入っていた私が上がると、脱衣所には既にパジャマに着替えた子供たちがいた。
一番お姉さんのちび姫ちゃんが、一番おちびさんのレナの髪をドライヤーで乾かしてくれている。
ちび姫ちゃん、本当にお姉さんになったね。
寝る前にも一騒動。
離れたがらない子供たちは一緒の部屋で寝ると言い出した。
それは構わないのだが、寝る場所が問題。
部屋の中央に下がる電灯の傘に大きなカメムシが入ってしまったからさあ大変。
「カメムシの下はやだー」
「カメムシの下はやだー」
みんなで逃げ回る。
みんなでできるだけカメムシから遠い布団をゲットしようとする。
「夜中に出てこないよね?」
「虫は明るい方、明るい方へと誘われるから出てこないんじゃないの?」
電気を消したら最後、どこへ行くかは判らないとはあえて口にしない。
「大丈夫?」
「大丈夫大丈夫」と私は安請け合い。
結局カメムシは朝には姿を消していたが、子供たちも朝にはそのことを忘れていた。
「yuko_nekoさ〜ん、ちょっとお願いがあるんだけど」
子供たちを寝かせた後、玄関前の囲炉裏のスペースに集まる私たち。
実は元々明日にはみんな旅行を終えて帰るはずが、事情があって我が家だけもう一泊伸ばすことになったのだ。
当然宿泊の手配はしていない。
どこが良いか検討するにあたって、旅館にはちょっとうるさく、しかもいろいろ知っているyuko_nekoさんにアドバイス頂こうと思ったのだ。
基本的には群馬県、関越道からあまり離れないなら新潟県まで視野に入れて、前からぜひとも泊まってみたいと思っていたようなそんな宿が良いとパパは言う。
「前からぜひと言うなら、
法師温泉」
日帰りはしたことあるけど、泊まりは憧れ。
「・・・法師って混浴だろ? 混浴は気を遣うから嫌だ」とパパ。
混浴だからこそ、宿泊に価値がある。宿泊すればゆっくり入るチャンスもあると思うが、とにかくパパの気が乗らないのでは仕方ない。
「後は思いつかないなぁ・・・。とにかくいつもの格安宿泊検索サイト
トクー!トラベル

をチェックする。
「・・・」
一ヶ所だけ気になる旅館が引っかかった。
谷川温泉の旅館たにがわ。
二食付きの宿泊料は我が家としては予算オーバーだが、日頃では絶対泊まれない宿に泊まる料金としてはめちゃめちゃお買い得だ。
・・・ちょっと気になるなぁ。
谷川温泉は水上温泉のすぐ近く。
大型旅館の建ち並ぶ賑やかな水上とは違い、ペンションなどをのぞくと数軒しか旅館は無く、どの旅館も粒ぞろいと聞いている。
yuko_nekoさん同様、旅館にはちょっとうるさい私の両親が谷川温泉はお勧めだと言っていた。
そのかわり、全体的に宿泊料は高め。だから高嶺の花と思っていた。
そこ以外は目に付いた宿は無く、後はyuko_nekoさんがお勧めの宿をひとつひとつチェックしていく。
湯沢温泉の高半、また同じく湯沢温泉の中屋、越後長野温泉嵐渓荘、栃尾又温泉宝厳堂など。
嵐渓荘、宝厳堂辺りになると距離的にも難しいが、どちらにせよその全てが明日は満室か予算オーバーだった。
「たにがわにしよう」
パパはトクーの画面を見てぴぴっと来たらしい。
いろいろ考えた末、明日の予約は旅館たにがわに決まった。
トクーのプランには、貸切露天風呂も付いている。片品からもそう遠くない。
そんなわけで、湯宿、片品と来た今回の旅行は谷川で締めることとなった。