御坂路さくら公園を出て直ぐに、本降りの雨が降り始めた。
良かったー、テント撤収後で。
ずぶぬれのテントやタープをそのまましまうほど嫌なことは無い。
もう雨が降ってもいいや、どうせあとはお風呂に入って帰るだけだしと私たち。
ももの里温泉はその名の通り、桃畑の斜面にある。周辺は桃畑と民家とあと少し葡萄畑。
駐車場の一角に温泉スタンドもあり、私たちが着いたとき、小学生ぐらいの子供を連れたお父さんが軽トラックで温泉を汲みに来ていた。
入り口はちょっと奥まったところにあって、両側を休憩室の建物で挟まれている。
公共の温泉としてはそれほど規模が大きくない。
まだ雨が降っていたので私たちは急いで屋根の下に入った。
お風呂は内風呂と露天風呂と有り、建物外観の印象からすると意外に大きかった。
お湯は昨日、一昨日と入ってきたこの辺りの温泉らしい感じで、比較的ぬるめで無色透明、きしつく肌触りがある。
やっぱり塩素の臭いの他は感じられず残念だ。
今回の旅行で、
ほったらかし温泉、
はやぶさ温泉、
鼓川温泉、ももの里温泉と入ってきて、どれも特徴的によく似ているものの、唯一塩素の臭いがしなかったはやぶさ温泉がだんとつに癒された。この臭い一つで、これら品行方正な温泉の良さはほとんど失われてしまうような気がする。
でも、
ももの里温泉の露天風呂は子どもたちがとても気に入った。
子どもたちの後を追って私も露天風呂に出てみると、なんとそこには薔薇風呂が待っていた。