◆◇かみのやま・赤湯温泉外湯巡り◇◆
大人旅

12.赤湯ラーメン龍上海

　パウンドケーキで最悪の状況は脱したもののまだまだお腹は空いているし、今日は平日だからもしそんなに混んでいなかったら、ここでお昼を食べてから帰るのも有りかも。
　そう思ってとりあえず店だけのぞくことにした。混んでいるか空いているかだけでも見て判断しようと。

　正直なところ、こんなに微妙な混み具合でなければさっさと決断していたかもしれない。
　店の外にもずらずらと列を作っているかと思っていたのだが、列は無かった。
　じゃあ誰も並んでいないのかと思うと、ちょうどファミレスが混んでいるときに名前と人数だけ書いて待つスペースがあるように、7、8人が座れるような狭いコの字型のベンチがあって、そこはいっぱい、さらに立って待っている人が数人だった。
　うーん、これって何分待ちぐらいなのだろう。
　店の中ものぞくと、そこそこ広い店内はほぼ満席。ただしちらほらと食べ終わって席を立つ人もいる。店員はみんな忙しそうに歩き回っているのでなかなか何分待ちか聞ける雰囲気にならない。

　しょうがないのでそのまま並んで、もし間に合わなそうなら途中で抜ければいいやと判断した。どうせ1時間ぐらい暇な時間があるのだ。
　私の後ろにもすぐにサラリーマンの二人組が並んだが、その人たちは列が動かないのを見て5分ぐらいで諦めて店を出て行ってしまった。
　10分ぐらい過ぎたところで店員がやってきて注文を聞いた。
　何が有名なのかわからなかった私はとりあえず店の名前を付けたオーソドックスなラーメンを頼んだが、すぐ後でこの店の一番人気は真っ赤な味噌を中央に盛ったからみそラーメンだと知った。
　ここでおおよその待ち時間を聞いたら、20分ぐらいだと言われた。今から20分だとぎりぎりだ。食べる時間を入れると微妙にアウトのような気もする。どうするかなぁ。でも注文しちゃったからもう出られないよね。

　結構食べ終わった人が増えてきて、一気に列が進んだ。
　自分の前の人までが席に案内される。
　いつの間にか自分の後ろにも大勢並んでいて、その人たちも注文を取られていた。赤湯からみそラーメンを注文する人が多いが、1/3ぐらいは私と同じシンプルな赤湯ラーメンを頼んでいた。

　確かに席に案内されるまでの時間は20分程度だった。
　しかしそこからまたラーメンが来るまでしばらく待たされる。新幹線の時間が心配な私は何度も壁に掛けられた時計をチェックする。
　私のすぐ前に並んでいたカップルは、カウンターの私の隣に座っていて、それぞれ赤湯ラーメンと赤湯からみそラーメンを注文していて途中で交換しながらはふはふと食べている。私ももしそのカップルより一足早くラーメン屋に着いていたならもう食べ始めることができたようだ。一方私の後ろに並んでいた女性は、やはりカウンターの私の反対隣に座り、注文したラーメンが来るのを待っている。

　やっとラーメンが来たのは1時55分。
　2時までに食べ始められなかったらアウトだと思っていた。ぎりぎりだ。だってここから駅までも歩いたら20～30分掛かると思うし、まだ新幹線の切符も買ってないよ。買うの慣れてないから時間かかりそうで心配だし。

　ラーメンは思っていたよりずっと麺が太くてびっくりした。
　あまりの麺の太さにラーメンじゃないって思ったくらい。不揃いな感じのちぢれ麺はもっちもちだ。
　これでもかっていうくらい熱くてなかなか食べ進められない。これは辛いからみそラーメンなんて選んでいたらもっと食べられなかったかも。特段辛いのが苦手ではないが、これだけ熱いのに加えて辛かったらとても急いでなんて食べられない。
　スープは魚介風の味がする。昨日かみのやま温泉の湯蕎庵 味津肥盧で食べたラーメンのスープと似ていた。