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◆◇かみのやま・赤湯温泉外湯巡り◇◆
大人旅

15.中湯共同浴場






 時刻は5時25分。
 この期に及んでも私はまだ迷っていた。
 あと40分。
 中湯共同浴場に寄るか寄らないか。

 でもまあ10分もあれば一風呂浴びられるし、下大湯から駅へ向かう道の途中だから、これはまあ寄って行けとこういう展開なのだろう。
 中湯共同浴場の位置は一番シンプルで、観光マップを見る限りこの大通り沿いにあるはずなのだから。


ライトアップされるお城



 と・こ・ろ・が
 そうはどっこい問屋がおろさなかった。
 そうなのだ。めちゃくちゃ単純で絶対に見つからないことはないだろうと思った中湯共同浴場が見つけられなかったのだ。
 ちょっとずれた十字路の角に黒い櫓のようなものが建っているところまで戻ってきておかしいことに気付いた。これは行きすぎだ。中湯共同浴場はもっと手前にあるはずだ。

 もう一度観光マップを確認する。
 すでに辺りは真っ暗なので地図を読むのは難儀するが、幸い大通りは街頭や店先の灯りもあるので何とかなる。
 道沿いにあると思って周辺のランドマークを確認しなかったが、とにかく中湯共同浴場の斜め道向かいには山形信金があるようだ。山形信金を探せばよい。
 せっせとまた元来た道を戻る。
 山形信金はすぐに見つかった。
 山形信金の道向かいの正面に小さな横道がある。あの奥が怪しい。
 なんだよぅ、またマップが適当だったのか?


この細い横道が怪しい



 はたしてその小路を入り裏へ回れば確かにあった中湯共同浴場。
 まったくどの外湯も一筋縄ではいかない場所にこっそりと入り口を開けている。
 とても渋い雰囲気の建物だが、他の共同浴場とは少し雰囲気が違っている。後でgooglマップで調べたら同じ住所が上山市老人いこいの家という名称になっていたので、先ほどの葉山の寿荘ではないが、ここも年配者向けの施設を兼用しているようだ。

 浴室は少し狭く思える。
 他と同様湯気が凄くて視界が悪いが、入ってすぐ右手の壁際に二つの浴槽がくっつけて並べてあるようだ。
 湯口に近い方が熱い湯、浴槽の一部がつながって、また上からあふれた分がもう一つの浴槽に流れ込んでいるらしい。
 迷わず熱い方に入ったところでもう一人お客さんが入ってきて隣の浴槽に入った。





 この熱い湯は本当に熱かった。
 最初に入った新湯の澤の湯も熱かったがそれにも増して中湯は熱かった。その熱い湯が湯口からざんざんと注がれて流れていく。浴槽に対する投入量はここが一番多かったと思う。
 湯口はここも塩の塊みたいな析出物がびっしりとついてざらざらになっている。無色透明。臭いは特に無い。
 何だかかみのやま温泉に何湯も入ったことで熱さになれちゃったみたい。熱いと思いながらも無理しないで入ることができた。
 しかし時間はあまり無い。
 適当なところで切り上げて中湯共同浴場を後にした。
 先ほどの小路に出ると正面に上山城が見えた。






1-16消えた切符へ続く


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