子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > かみのやま・赤湯温泉外湯巡り > 1-13新丁共同浴場 鶴の湯

◆◇かみのやま・赤湯温泉外湯巡り◇◆
大人旅

13.新丁共同浴場 鶴の湯






 大通りを右に行けばいいのか左に行けばいいのかわからない。
 観光マップを信じるなら大通りに出る手前に共同浴場があったはずなのに。
 とりあえず駅のある右に行きかけて、左に行ってみた。左に見つからなければどうせ駅の方へ歩かなくてはならないのだ。

 すると、すぐに黒ずんだ木造のひと気のない商店みたいな建物があり、その建物の前に「浴場前」というバス停が立っていた。
 浴場前!?
 ということはこの黒い木造の建物が探していた新丁共同浴場なのか!?





 建物は見つかったが入り口はどこだ? とその黒い木造建築を回り込むように隣の道をのぞいた。
 すると茅葺屋根にトタンを重ねたその建物の黒い壁に「鶴の湯」「憩いと交流の場 新丁共同浴場→」という看板を見つけた。やっぱりこれだ。
 しかし何で看板に矢印がついているのだろうとさらに進むと、黒壁の建物にはそれ以上入口らしいところは見当たらず、振り返るとその道向かいに漆喰のはげかけた建物があり、そこに「ゆ」と書かれた抹茶色の暖簾が下がっていた。
 なんのことはない、黒い木造の建物は共同浴場でもなんでも無かった。
 でもこの建物とバス停がなかったら、新丁共同浴場は見つけられなかったと思う。





 入り口の木の枠や看板は新しいが、やっぱりこの共同浴場も一歩入ると他と同様とても年季が入っていた。それもいい感じに。
 箱状の古い木の下駄箱や入浴券の自販機も他と一緒。
 男女別の脱衣所入り口の間に番台の小部屋があり、脱衣所に入る前にその番台の小さな引き戸を開けて入浴券を箱に入れる。

 ここのお風呂は角をまるめた正方形だった。
 きしつく肌触りだが、何湯も入ったからかするするとする感触もある。
 最初はかなり熱かったが、先に入っていた地元の方がホースを湯船に引き込んで加水の蛇口を開けていたらしく、入っているうちにだんだんとぬるく物足りない温度になってきた。
 ここも湯気がすごい。
 かみのやま温泉の共同浴場はどこも湯気抜きをあまり考えないのか、まるでミスとサウナのようにけぶっていて、時々天井から冷たい滴が頭や肩を襲うことがある。





 新丁共同浴場を上がった時点で5時近かった。
 山形行きの電車の時刻が6時5分だから、駅までの道のりを合わせてあと1時間程度しかない。






1-14下大湯共同浴場へ続く


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