さて次はいよいよ中嶋旅館のお風呂だ。
ようやく誰もいなくなかったようなので入ってみる。入口に瑞岩乃湯と大きな看板がある。
浴室は1階からさらに階段を下る。脱衣所からもさらに階段を下る。地下にあるせいか、館内でもここだけは特に古く湿った感じがする。
最初に驚いたのは天井部分。天井近くだけは向かいの男湯側と繋がっているが、デザインが何故かギリシャの建物みたいになっている。
中嶋旅館の外観やお風呂そのものは和風なのに。
実はこのデザイン、先代のご主人が全てデザインしたそうだ。道後温泉に行ってひらめいたらしい。現ご主人はなんでこんなデザインにしたんでしょうねと笑うが、私はユニークで好きだ。
浴槽は長方形で縁は大理石でできている。
浴室全体が薄暗く霞んでいるのでお湯の色や湯の花はわからない。無色透明に見える。
掛け湯をするとかなり熱いお湯で、入るのに躊躇したが入れないほどではなかった。
湯口のお湯はたらたらとそんなに量は多くない。
きしつくが、入っているうちにするするしてくる。重曹が入っているような感触。
においはマッチでもゆで卵でもないタイプの硫黄系のにおい。既に傷んでゆで卵っぽくなくなったというか、そんな感じ。
ああ、これがもっと臭くなると、つなとり温泉みたいになるのか。
成分で床がめちゃめちゃ滑る。シャンプー類はカランごとにいろいろなものが置いてあって、それもシャンプーバーみたいな洒落た感じではなく、適当に買い足した感があった。
ちなみに中嶋旅館は加水・循環とネットでは書かれていて、それは分析表に加水・循環が記載されているからだと思うのだが、後で女将さんに確認した話では、加水無し。三つあるお風呂のうち岩風呂(この時男湯だったところ)のみ深いので必要量が多くお湯を貯める時だけ循環。全部のお風呂で湯口から注がれている分は源泉のみの掛け流しとのことだった。
源泉は台温泉2号泉。昔は岩風呂のすぐ横で湧いていたというので独自源泉もあったようだが、今は共同管理の源泉を引いている。