栃木苺狩り日記 二日目 ◆いちご畑でイチゴ狩◆



イチゴ3月15日(土)

 朝はまだ暗いうちに目覚めた。
 子供たちが起きるとゆっくり朝風呂どころではないので、そうっと部屋を抜け出す。
 廊下は冷え切っていて、外に通じる扉を開けると、さらに冷たい空気が頬を包む。
 浴衣の背を丸めて露天風呂へ向かう。今朝は曇りのようだ。

 昨夜入った右端の女湯露天へ。
 まだ誰も来ていない。独り占めだ。
 晴れた空の下の露天風呂もいいが、曇天の下、白と黒だけの墨絵のような景色もいい。熱い湯でしゃっきり目が覚めた。

 女湯の隣は、大野天風呂となっている。チェックインしたときに仲居さんが「男性用露天風呂」と説明したので、昨日は入らなかったが、本当は混浴なのだろう。誰もいなかったらちょっと入ってみようかなと思ったが、残念ながら私が女湯から上がったときには、早起きの男性が一人、既に入浴中だった。
 まあ、女性用露天風呂と景色はほとんど変わらないし、大きさもそんなには違わない。お湯が違うとか、足元から湧いているとか、他に家族で入れるお風呂がないとかであれば入ったと思うが、まあいいか。

 部屋に戻るとパパが起きた。入れ替わりにパパも露天風呂へ向かう。
 これで朝風呂タイムは終わりかと思いきや、パパが戻ってくると子供たちも目覚めて、お風呂に連れて行けと言う。

 今朝はカナの希望により、泡の貸切露天風呂。
 ほら川がよく見えるよ。岩の上には雪も沢山積もっているね。

 朝食は広間で。
 一番吃驚したのは納豆。一人用のカップ入り納豆が付くことは多いが、ここは一人に普通サイズの一パックが付く。しかも「平家納豆」。流石は平家落人の郷。

平家納豆パッケージ
 この蝶の紋は以前、加仁湯に泊まったときも見かけた。加仁湯は川俣の更に奥。奥鬼怒四湯のひとつだ。平家の御紋なのか。


一柳閣ロビーから見る鬼怒川の流れ
 ロビーの窓から見下ろした鬼怒川。
 手前に露天風呂脱衣所の屋根が見えている。
 川俣一柳閣では本当にお風呂三昧だった。こんなに一つの宿の温泉にばかり入っていたのは夏休みの青荷以来か。温泉好きな割りにあまり温泉宿に泊まる機会が無いが、たまに泊まると、こんな風に夜に朝に入れて嬉しい。

 今日の予定は苺狩り。
 昨日の四季の湯まで戻って、栗山ふる里農産物直売所に寄る。山の中なのであまり野菜などは無い。新鮮な野菜を求めて矢板まで行くことにする。
 東北道の矢板IC手前に城の湯温泉センターという、温泉と農産物直売所の両方が揃っているところがある。でも時間が無いので今回は、買い物だけ。
 目の前に温泉があるのになぁ…残念。

 さて、予約を入れたJA安佐の苺狩り農園「いちご畑」から、三日ほど前に電話が入った。予約日に近くで大型アウトレットモールがオープンするので渋滞が予想される。迂回路を通ってきた方が良いというものだった。
 いちご畑は佐野藤岡ICからすぐなのだが、渋滞を避けるため、一つ手前の栃木ICで降りることにした。
 下道を行くと、結構時間がかかる。
 高速に乗ってすぐレナが、さらに農園のすぐ手前でカナも寝入ってしまった。

JA安佐いちご畑で苺狩り
 子供たちが寝ている間に、大人だけ苺狩りする?
 そんなわけにはいかないよね。
 「苺狩りだよ」の一言で、カナもレナも目覚めた。しかも機嫌よく。


大きな甘い栃乙女
 ここは3年前にオープンした。オープンした年から、三年間通っている。
 ここの苺は甘くて美味しい。大きくて瑞々しい。これを食べてしまうともう酸っぱい苺は食べられない(笑)。


美味しいよねー
 渡されたコップは、コンデンスミルク入れではなく顎や軸を入れるもの。ミルクなどは出してくれないが、ミルクなどいらないのだ。

 レナはこのおっきいやつね。
 あむっ。

あむっ おいちいぞ
 うん、なかなかいける。

 制限時間は30分だが、30分もあればおなかいっぱい食べられる。
 というか、手当たりしだい食べていると、制限時間前にだいたいギブアップだ。大きい形の悪い苺は大味かと思えば、いやいや小さいのよりずっと甘かったりする。
 やっぱり春は苺だね。また来年も苺狩りに出かけようね。

 去年は苺狩りのあと、佐野厄除け大師にお参りに行った。今年もその予定だったけど、何だか苺狩りで十分という気になっていた。
 今日はこれで帰ろうか。
 佐野藤岡ICまで来ると、新しいアウトレットモールの建物と、駐車場待ちでぎっしり連なる車を見た。やっぱり迂回路を通って正解。何も知らずに佐野藤岡で降りていたら、渋滞嫌いのパパは、二度と佐野に苺狩りなんて行かないって言っていただろう。

 春の旅はいつも雪の残る温泉宿と、栃乙女の甘い香りで始まる。
 次の季節にもまた、新しい何かが待っている。

おしまい

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