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田貫湖キャンプ場便り


初日 2005年9月23日(金)

 タヌキ湖じゃない、田貫湖だよ。
 もともと田貫長者という大金持ちの庭池だったという言い伝えなどあるらしい。
 逆さ富士と言えば富士五湖だが、実は朝霧高原の田貫湖ではそれ以上の絶品逆さ富士も見られると聞く。

 がしかし、田貫湖目指して中央道を走っている今、車窓の景色は低く垂れ込めた雲ばかり。
 台風の影響もあって連休三日間、もしかしたら雨模様。
 9月には三連休が並んで二つあって、最近は5月のゴールデンウィークに対抗してシルバーウィークなどと呼ぶ。
 先週の三連休はこれでもかというくらい晴れまくっていた。
 三日間、かんかんでりだ。
 まさにキャンプ日和。
 それに対して今週はどう?
 あーあ、ひどすぎ。
 でもみんなでキャンプに行こうと計画したのは今週だったし、先週は家族みんなでバイオリズム超低迷状態だったのでどちらにせよあの晴天は活かせなかった。
 一応出発前に晴れ娘たちに聞いてみた。
 「今度のキャンプ、晴れさせてくれない?」
 「無理。沖縄で晴れパワー全部使い切って来ちゃった」

 あやや、車が神奈川から山梨に入ったとたん、ついに雨が降って来ちゃった。



 今回のキャンプの幹事もいつものだださんだ。
 群馬の宝台樹キャンプ場や岐阜の平湯キャンプ場、埼玉の中津川村キャンプ場でお世話になっている。
 いつも秘密結社○×を救う会と銘打って、誰かを救うという名目上集まり飲んだくれている。
 今回は私を救って下さるのだそうだ。
 なのにこの空模様。
 本当に救われるかなぁ・・・

 6時25分、大月JCT。
 大粒の雨がフロントガラスをぬらす中、ちょっと空が明るくなったと思ったら日の出だった。

 谷村PAで休憩。
 パパが車の外に出ると、近くで電話している人の声が聞こえた。
 「えっ、八王子入ったところでもう渋滞してるの? こっちはどこにも引っかからないで着いたよ」
 しめしめ。
 30分早く出ただけで、こんなに違う。

 そして河口湖ICで降りる前に富士山のシルエット。
 不思議だなぁ。
 本栖湖に行くときはいつも晴れているのに靄で富士山は見えなくて、今日みたいに雨が降っていても富士山が全部見えることもあるのね。



 本当は24時間営業の温泉、河口湖の湯〜園に寄ってからキャンプ場に行こうと思っていたが、気温が低いのでやめることにした。
 湯上がりに寒い中でテントを張って風邪なんか引いたら嬉しくない。

 道の駅なるさわも通過。
 ここは富士眺望の湯ゆらりのあるところだ。
 意外と天気良いじゃん。
 こうなると何だか富士山の見える露天風呂で朝湯が出来ないのがしゃくだな。

 いつも曲がる本栖湖への曲がり角を今日は素通り。
 朝霧高原まで来ると、うわぁ、牧場の向こうに富士山だ。
 いつもいつも朝霧高原は名前に霧とつくだけあって霧の中だった。
 何だか初めてここで富士山を見たような気がする。
 今日は天気が悪いのに何故だ。
 朝霧高原にはグリーンパークという温泉があるはず。
 このあたりの温泉はほとんどお湯的には期待できないので、富士山が見えなけりゃ入る価値無しと思うけど、これだけ富士山が見えるなら入ってもいいなあ。
 でも入る時間無いけど。
 とにかく真っ直ぐ田貫湖へ。

 田貫湖キャンプ場到着時間は7時50分。
 オープンは8時だから駐車場には入れるが、キャンプサイトのゲートにはチェーンが渡してある。
 ところがやってきたキャンパーたちは次々とチェーンを潜ったり脇を通ったりして勝手に荷物を運び込んでいる。既にタープやテントを立てている人もいる。
 いいのかなぁ。
 8時になったところで、パパが受付をしに行った。
 そのわずかの間にカナがどうでもいいことで機嫌を崩した。
 ぐずぐずと泣き始める。
 勘弁してよぉ。
 カナの相手をしていると、妹のレナまで必要以上にまとわりついてくる。
 カナはとにかくなんだかんだ難癖を付けて歩こうとしない。
 パパはもう関わりたくないと言わんばかりにさっさと場所を決めてテントを立て始めた。
 今回のオフでは初対面のマタギさん一家が先に場所取りをしてくれるはず。
 マタギさんたちを探して同じ場所にテントを立てるべきなのだが、カナのせいでとにかくパパのそばに近寄ることもできない。
 困ったなぁ・・・。

 やっとカナをテントの側まで連れてきたときにはもう我が家のテントは骨組みを作り終えていた。
 このテントは先に地面にバンドを打ち付けて立てるので、一度組み立ててしまうと移動が出来ない。
 マタギさんたちはどこか他の場所で既に建てちゃっているんじゃないかな。
 どうしよう・・・。
 ようやくカナが落ち着いた後、パパが言った。
 「マタギさんたちを探してきて」
 探してきてったって・・・。
 とりあえずレナを連れて歩き出す。カナはまだふてくされていて、パパの手伝いをすることになった。

 田貫湖キャンプ場は富士山の見える田貫湖畔に芝生のサイトがある。
 車の乗り入れは出来ないが、景色が良く、湖畔をぐるりとAサイト、Bサイト、Cサイトと別れている。
 ちょうど富士山は駐車場の方角で、逆さ富士は見えない。
 マタギさん一家の目印は、茶とベージュのタープにシベリアンハスキーと聞いていたので、とにかくわんちゃんを探すことにした。

 Aサイトを抜けて、Bサイトの方まで遠征する。
 この辺りはAと違って湖からは少し離れるが、落ち着いた雰囲気がある。
 犬連れキャンパーは多いが、シベリアンハスキーは見あたらない。
 行きすぎたかな・・・。
 歩きながら幹事のだださんに電話をする。
 するとだださんはすぐにマタギさんと連絡を取ってくれて、Aサイトの方にいるという返事を返してくれた。
 やっぱり見落としたらしい。
 帰り道、やっと見つけた。
 そのタープはさっきも遠目で見ていたが、わんちゃんが少し離れたところに繋いであったので気がつかなかったのだ。
 近づくと、予想したよりずっと大型犬だ。
 「もしかして、マタギさんですか?」
 「はい、そうです」

 結局別々の場所に陣取ってしまったので、とりあえず食事時にどちらかに集まることにして、この場は別れた。
 さっきも書いたように我が家のテントは一度張ると動かせないし、マタギさんのところも大型犬のレイラちゃんを繋いでおく関係から、今の場所が適していたので。
 まあまだ後でどうにでもなるだろうと思っていたら、オープンして1〜2時間ぐらいの間に、ほとんど平らな場所が無くなるほどサイトはテントでいっぱいになってしまった。
 9月の連休、安くて清潔で景色も良いキャンプ場、どっちを見てもファミリーキャンパーやペット連れキャンパーでいっぱいだ。

 今日はもう一日雲の中だと思っていたのに、空はよく晴れて富士山もくっきり見える。
 明日からはどうなるか判らないけど、今日の天気だけでもめっけものかもしれない。

 マタギさんは氷を買いに行くと言って出かけてしまった。
 携帯のメールを確認すると、晶ちゃんとだださんは何やら近所で火事があったので火事見物をしていて遅くなったがお昼にはつく予定。紺碧七さんは今夜の食材が宅配便で届くのを待って家を出るので夕方になる模様。さらに晶ちゃんからのメールでえんぴつさんと消しごむさんは渋滞にはまっている最中とのこと。
 嬉しかったのは、忙しくてたぶん行かれない、行かれるとしても明日一泊と聞いていたyuko_nekoさんが、急に今日来られるようになったという連絡。
 yuko_nekoさんちのちび姫ちゃんはカナよりひとつ上の小学二年生。
 カナとはとても仲良しだが、レナはちょっとお姉ちゃんを取られてしまうので戦々恐々。

 お昼頃、晶ちゃんとだださんが到着。
 それからえんぴつさんと消しごむさんも登場。
 お昼ご飯はパパが沖縄〜なメニュー、特製ゴーヤーチャンプルーを作った。
 夜のメニューは北海道のジンギスカンなので、お昼は沖縄風ということで。
 マタギさんたちもお誘いしたが、既にお昼を召し上がったと言うことだったので、食事の後に遊びに来てもらうことにした。
 ホント、違うところにテント張っちゃってごめんなさい、マタギさんご一家。

 田貫湖にはカモがいる。
 子供たちがママー、ママーと呼んでいるのかと思ったら、それはグワワー、グワワーと鳴いているカモたちだった。
 湖を泳いだり、岸にも登ってくる。
 売店には100円でカモの餌を売っているので、パパが買ってきて子供たちにあげさせた。
 「但し、テントには入れるなよ」
 ひゃー、テントにカモが入ったら、そりゃ困るカモ。
 (寒すぎ)

 餌が無くなったら、パパは子供たちに買いに行かせることにした。
 いわゆる「初めてのおつかい」だ。
 キャンプ場の地図を手渡して、売店までの行き方を教え、100円玉を二つ渡した。
 二人は喜び勇んですっ飛んでいき・・・
 「心配だから見て来いよ」とパパ。
 なんだい、フォローするのは私かい。

 そうっと駐車場の方へ行くと、案の定二人は道に迷っている。
 「こっちじゃない?」とレナ。
 「違うよ!」知りもしないくせに断言するのはカナ。
 「もう一度パパに聞いてこよう」
 走りだそうとするのを「待て待て」と止めた。

 「あれ、ママ」
 「パパにはどうやって教えてもらったの?」
 「この地図の通りに行けば着くって」
 受付の時にもらったサイトマップだ。
 「それでどっちに行ったの?」
 「あっち」
 うーむ、方角はあっているようだ。
 「ついておいで」
 受付兼売店まで来て、中に入ると目の前にカモの餌が売っていた。
 「ここまでは来たよ」
 じゃ何で判らなかったんだ?
 「中に入らないといけないなんて思わなかった。外で売っていると思った」
 と言うわけで、初めてのおつかいは失敗の巻。

 結局マタギさん一家はこっちに引っ越してくることになった。
 テントにタープに巨大なレイラちゃんの檻。
 レイラちゃんは本当に大人しくていい子だ。
 絶対に吠えたり噛み付いたりしない。きっちんとしつけが出来ている。
 でもまだ2歳なので無邪気だ。
 みんなにすり寄ってくる。
 シベリアンハスキーだと思っていたら、アラスカマラミュートという種類の犬なのだそうだ。
 顔はちょっと似ているが、目の色は青ではなく茶色で大きさはもっと大きい。
 シベリアンハスキーと同じようにソリを引く犬で、とっても頭が良いのだそうだ。
 しかも頭が良すぎる故に飼い主の言うことを聞かないこともあるという。自分でその行為が必要なことかどうか、先回りして判断してしまうんだって。
 そのせいかどうか判らないが、だださんが散歩に連れ出そうとしても何処を吹く風。しれっとして元の位置に戻ってしまった。
 なのに晶ちゃんが手綱を引くと、大人しくついていく。
 晶ちゃんはとってもレイラちゃんに好かれている。

 そのままみんなで卓を囲んで飲み始めた。
 それにしても紺碧七さんが遅い。
 彼が来ないと夕食の食材が届かない。
 ジンギスカン用のラム肉を通販で注文したのは良いが、到着が今日の午前中になったとかで自宅でそれをキャッチしてから出てくると聞いていたが、それにしても遅すぎる。
 晶ちゃんの携帯に届いた連絡によるとどうも長野県を走っているらしい。
 なんで埼玉から朝霧高原に来るのに長野県??

 ようやく到着したのは5時半も回ってから。
 そして前後するかのようにyuko_nekoさん、がっちゃん、ちび姫ちゃん一家も到着した。
 但し・・・
 「みんなどこにいるの? シャワー室があって、神社があって・・・」
 キャンプサイトのシャワー室前まで行ってみたがいないみたい。
 それに神社ってことは、もしかして対岸〜?
 「あれだよ、あれ」
 晶ちゃんやうちのダンナが指さす方を見ると、ちょうど湖の対岸を見慣れた車が走行中。
 「今、走ってるところをみんなで見てるよ」と思わず携帯に電話してしまった。



 yuko_nekoさんちの車はがっちゃんが後ろに荷物台、前に自転車二台、上にそのまま屋根の上で立ち上がるタイプのテントをくくりつけたので、もうすっかり装甲車みたいになっていた。
 すごいなぁとみんなで見学。

 今回紺碧七さんが持参してくれたお酒は、円円(まるまる)、三岳、渓流どぶろく、蔵純粋、風鳴子、なつめやし酒、カモミール酒・・・。
 えんぴつさんと消しごむさんからは澤ノ井のバカボンパパラベル。
 我が家からは沖縄土産のハブ酒とシークワーサー酒。
 飲んで飲んで飲みまくって、夜中まで話し込んでいたら、気がつくと周りのテントはみんな真っ暗になっていた。
 えんぴつさんと消しごむさんは日帰りなので途中でお別れ。
 みんなで駐車場までお見送りに行った。
 子供たちは早い時間に寝かせたが、ちび姫ちゃんもカナと寝たいというので一緒のテントだった。
 朝が早かったパパも、子供たちについでさっさと寝てしまった。
 子供たちはサイズが小さいので一人増えても場所には余裕がある。
 みんなとおやすみなさいをした後、一人で真っ暗なテントに入って唖然・・・。
 場所はあるけどシュラフが足りない。
 どうやって私、寝たらいいの〜!?

二日目へ続く

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