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◇◆四万たむらの休日2◆◇

14.初雪








こちらはウワサのジモ専(地元の方専用)湯小屋



 お湯そのものも大露天風呂の方が貸し切り女風呂より良かった。
 湯船が広いので全体としてどうだかは判らないが、湯口から出るお湯そのものはこちらの方が生き生きしていた。
 臭いがずっと新しい。同じゆで卵の臭いでも向こうはちょっと古そうだった。
 湯口から出ている量の違いなどで違って感じられるのかもしれない。
 お湯、景色、広さ、開放感・・・全部こっちの方が上じゃないか。
 やっぱり不公平だ。

 えんぴつさんが頭を洗い始めた。
 私はどうせ入るなら良い温泉と思っているが、頭を洗うなら寒くなくて設備の整った浴室と思っている。
 でも見ているとどうもえんぴつさんは良い温泉に入ると頭も洗いたくなるようだ。確かに温泉で頭を洗うと髪の反応を楽しめるということもあるが。
 それを見てyuko_nekoさんも頭を洗い始めた。
 これは結構危険な行いだったようで、yuko_nekoさんはこの後風邪を引き込んでしまったらしい。何しろここはあまりにも寒かったのだ。

 ちなみに私たちが女湯男湯両方に入って温泉を満喫している間、がっちゃんと消しゴムさんはたまたま隣の湯小屋に入りに来た地元の人に、湯小屋の方のお風呂を見学させてもらっていた。
 簡素な共同浴場風で四角い湯船。
 露天風呂を一般開放している代わりに、湯小屋の方は地元の人専用。月に3,000円払い、交替で清掃業務を行うことによって入浴の権利を得るという。
 この京塚温泉、正式に一般入浴を受け付け始めたのは今年の9月からなのだとか。
 しばらくの間はかなりの穴場かもしれない。
 いろいろな偶然が重なってここに誘導されてしまった私たち。
 消しゴムさんは、わざわざ群馬までえんぴつさんを迎えに来てラッキーだったーと呟いていた。





 十分京塚温泉を堪能した後、私たちは再び豆腐屋に戻り、鍵を返却した。
 いよいよここでえんぴつさんや消しゴムさんともお別れだ。
 みんなめいめい帰途につく。
 「じゃあね」
 「またね」
 まだ期日も決まらない次の約束を口にしながら豆腐屋の外に出る。
 ふいにサーッと北風が山から吹き下ろし、風とともに白いものが空を舞った。

 私たちは同時に空を見上げた。
 「・・・初雪だ」
 驚いたことに雪が舞っていた。




日没間近の帰路の景色










 青空に紅葉という晩秋の群馬を訪ねた私たちは、この日、何時の間にか去ってしまった今年の秋の後ろ姿と、厳しい冬の訪れを見たのだった。

 それじゃ、また!



おしまい


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