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◇◆四万たむらの休日2◆◇

7.四万温泉から応徳温泉へ











 結局部屋を出たのは11時ぎりぎりになってしまった。
 がっちゃんが待ちくたびれた顔をしている。
 子どもたちは間際までDSでポケモンバトルをしようとしていたが、やれレベルをいくつまでに制限しようとか、強いポケモンを出すの出さないのと条件に折り合いが付かず、バトルを始めたとたんに時間切れとなってしまった。
 だからやるならさっさと始めちゃえば良かったのにと言ったけれど後の祭り。
 全員、DSをぱたっと閉めて荷物を手にする。
 もうみんなたむらの正面玄関前に集合していた。

 最初にミサミサちゃんが車に乗った。
 行きはお気に入りのシローさんも乗っていたのかもしれないが、彼は早朝4時に宿を出て仕事のために帰っちゃったそうで、広いターさんの車の後部座席にはミサミサちゃん一人がぽつりと乗っていて寂しそうだった。

 晶ちゃんや紺碧七さんともお別れの挨拶をする。
 ああ本当に晶ちゃんとゆっくり話ができなかったのが心残りだ。
 紺碧七さんは、近所の酒屋で消費期限切れだけど承知の上ならあげるとタダで譲られた缶入りマスカットサワーをお土産にくれた。

 だださんや、義満さんや、オリーブさんポパイさんとも今回はほとんど話ができなかった。
 まあそのうちに次の機会があるよね。
 私は行きと同様がっちゃんのデリカに乗せてもらった。
 行きはまだ打ち解けていなかったのでお母さんの車に乗っていたまりなちゃんも、帰りはカナ、レナ、ちび姫ちゃんと一緒にがっちゃん車の後部座席だ。
 相方の消しゴムさんが応徳温泉で待っているえんぴつさんもとりあえずこの時点ではがっちゃん車組。
 みんなと別れを告げた後、がっちゃんのデリカとくららさんのプリウスは、西へ、沢渡経由の六合村方面へと走り始めた。


四万たむらの前で解散



 空は晴れ渡り、紅葉は盛りを過ぎてはいるもののまだまだ見頃だ。
 四万温泉街を走るデリカから私は何枚も写真を撮ったが、いつも乗る助手席と違い、後部座席からだと巧く撮れない。前方はガラスの反射が写ってしまうし、サイドはスピードが速すぎて流れてしまう。
 何かいい方法は無いかなぁと思っていたら、せっかくの天気だからとがっちゃんが天井を開けてくれた。
 おっ、これは。
 思わず開いたルーフからカメラを突き出し撮影する私。
 それを見て同じことをする隣のえんぴつさん。
 一瞬突き出しては撮影して引っ込めるので、何が撮れているかも判っていない。
 何度もこれを繰り返していたら、後から後ろを走っていたくららさんに「変だった」と笑われてしまった。

 「沢渡の源泉温度が下がっちゃったらしいですよ」と沢渡温泉通過中にえんぴつさん。
 私が沢渡温泉の共同浴場を訪ねたのは2001年のことだ。あのときはかなり熱いお湯が出ていた。子供はなかなか入れないくらいに。
 それがたったの数年で40度を切るほどに源泉温度が下がってしまうとは。

 天然の温泉はデリケート。
 その一方で加熱せざるを得ないとなると灯油などの燃料費高騰も痛いだろう。
 泉源が枯れてしまうよりはマシだけど、療養の湯で知られた沢渡の将来が心配だ。
 また四万ではそんな心配は無いんだろうか。

 上沢渡川に沿ったこの道は、宇都宮と上田を結ぶ日本ロマンチック街道の一部になる。
 民家は少なく、山里の雰囲気が残された街道だ。
 やがて道は上り坂になり、暮坂峠を越える。ここは若山牧水の像と詩碑があることで知られている。
 高度が上がると紅葉は姿を消し、冬めいた景色になってきた。今まで濃紺の晴れ空だった頭上にもいつの間にか雲が増えている。
 蛇行する山道に、まりなちゃんとちび姫ちゃんが苦痛を訴えた。
 「気持ち悪い~」
 車に弱いレナには事前に酔い止めを飲ませていたのが効いたらしい。幸い彼女はけろりとしていた。
 がっちゃんが車を停めて子どもたちを降ろした。
 青ざめていたまりなちゃんとちび姫ちゃんは外の空気を吸って少し落ち着いたようだった。えんぴつさんの出した梅干しも薬になったようだ。





車のサンルーフからカメラを突き出して撮影した写真・・・後部座席はこうでもしないと写真が撮れないのだ




2-8六合村の応徳温泉へ続く


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