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◇◆四万たむらの休日2◆◇

18.そして真夜中過ぎの岩根の湯











 くららさんは御夢想の湯から上がった後、一人で部屋に戻ると言った。
 流石に限界のようだ。既に午前3時半をとうに過ぎている。
 えんぴつさんは岩根の湯に行くというので私も性懲りもなく付いていく。
 「岩根の湯はちょーっと臭いが違うんですよ。そこが好きなんですね」とえんぴつさん。
 そう言えば私はまだ岩根の湯に入ったことがなかった。四万たむらの花湧館に泊まるのは二度目なのに、まだ岩根の湯と甍の湯には入ったことがない。
 特に岩根の湯は小枝子パパのお勧めだったはずだ。確か源泉に近いから他のお風呂よりお湯がいいって言っていた。

 岩根の湯は御夢想の湯からすぐで、やっぱり通路でも私たちは誰にも会わなかった。当然岩根の湯も無人だ。がらりと戸を開けると、意外に年季の入った石とタイルの浴室が待っていた。

 新旧いろいろなところで木の浴槽や岩の浴槽はよく見るが、タイルの浴槽というのは不思議と古めかしく感じる。懐かしいような感じがする。
 えんぴつさんは髪の毛を洗い始めた。
 私はもうさっき、子どもたちと翠の湯に入ったときに洗ってしまったので先にお風呂の中に入ってみた。
 ・・・おや。
 確かにお湯が違う。
 えんぴつさんの言う臭いはあまり感じ取れなかったけれど、浴感がまるで違う。
 硬いと言うのだろうか。
 お湯が硬いなんて変かもしれないがとにかく硬く感じる。四万のお湯は全般的に柔らかいと言うより硬いところが多いが、ここは顕著に硬い。
 手足にまとわりつくお湯が面白いほど硬く感じる。
 「ねえねえ、えんぴっちゃん、ここ、お湯が硬いよね」
 「硬い硬い、そーですよね。私も硬いと思っていたんですよー」
 もうじき朝の4時。
 どこまでもハイになったまま、私たちは湯船を独占していた。


四万たむらの岩根の湯の浴槽は二つ。レトロな感じのタイル張り。




2-1四万温泉の朝へ続く


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