冬の志賀高原 雪遊び日記 最終日  ◇菅平スキー場まで移動して雪遊び◇


1月6日(月)

 流石、長野は凄い雪だと思ったら、どうもこの雪は豪雪長野としてもかなりのレベルだったようだ。朝、テレビでニュースを見ていたら、安曇野では白骨温泉に至るスーパー林道で雪崩が発生し、20台ほどの車が巻き込まれたり、100人以上が白骨温泉に取り残されたりしたらしいし、妙高では電車が凍結して、明け方まで車内で代替バスを待っていた人もいるらしい。大変な騒動だ。


 最近カナは旅行が楽しくて仕方ないらしく、帰る日になると決まって帰りたくないと泣く。
 旅は終わるから旅なんだよ。また次の旅に行けばいいんだよ。

 志賀高原はまだ雲の中だったが、雪はほとんどやんでいた。
 道を下ってくると日も差してきた。だんだん青空が出てきたよ。なんだか真っ白な景色ばかり見ていたから、空の青が目に沁みる。

 本日の予定は、とにかく北信州は天気が悪いので、南を目指すことにした。菅平のあたりで、雪遊びをして帰ろうという計画だ。

 渋・湯田中エリアを完全に離れてしまう前に、一風呂浴びていこう。
 渋温泉に入っていこうと思ったが、ちょうど青空を見ながら露天風呂に入りたい気分だったので、お手軽に渋温泉の手前にあるみやま温泉に寄っていくことにした。

 みやま温泉わくわくの湯は、オリンピック道路の沓野・渋ICから近く、看板も大きいのでよく目立つ。スキー帰りに利用しやすい施設だ。
 ちょうど10時の営業時間になったばかりで、駐車場には他に車の影は無い。今日は平日だからがらがらだが、日曜日などは混みそうだ。

 玄関で靴を脱ぐと、自動改札みたいな料金所がある。監視カメラがひとつついているだけで、受付は無人だ。和室休憩室や、脱衣所のベビーベッドもあり、子供づれにも使いやすそう。
 内湯は無く、屋内の洗い場と露天風呂だけという合理的なつくり。


 目隠しがあるので展望は無いが、まあまあ大きく気持ちのよい露天風呂。雪が積もって日が差していい感じ。

 特ににゅるにゅるもきしきしもしない柔らかいお湯。ごく僅かに灯油臭の混じったゆで卵臭。色はほとんど透明に近いごく薄い黄緑色。ちょっと苦味のある薄いゆで卵味。綿ぼこりみたいな茶色の湯の花がたまに舞っている。
 硫黄色に染まった湯口の下に、籠の様なものを置いて、不純物を取り除いているらしい。掛け流しだがおとなしい感じなのはそのせいかもしれない。


 悪くない湯なのだが、昨日の熊の湯のインパクトが強すぎて損しているかも。
 でも子供たちは雪の積もった露天風呂が大好き。

 私たちが脱衣所にいるとき、施設の方が一人、暖房のスイッチを入れに来てくれたが、他にはまったく人影が無かった。
 男湯にいたパパなど、建物に入って出るまでついに誰の姿も見なかったらしいので、無人なのかと思ったと言っていた。

 一般道を菅平目指して南下していくと、空はいつの間にか快晴。路上は解けた雪できらきら光っている。ほとんどの会社では仕事始めに当たる日だから、道は空いていて対向車に逢うこともない。


 右手にゲレンデが見えた…と思ったら、菅平のダボスゲレンデだった。早速車を停めて、降りてみよう。



 やっぱりスキー場はこうでなくちゃと思うような青空。今日は志賀高原を離れて正解だった。

 キッズゲレンデとして区画されたところは見当たらなかったが、何しろゲレンデ自体がらがらなので、どこでもソリ遊びOKという感じ。
 適当に登って、好きなところで滑り降りる。ひゃっほー。
 人がいないし、広いし、長いのでスピードが出ること出ること。



 そういえば昔よく菅平は来たんだったな。職場でスキーツアーというと、必ずここだった。懐かしい。
 本当は今回の旅行で、カナをスキースクールに入れようと思っていたが、焼額山は天気もずっと悪かったし、キッズスクールにもそれほど力を入れていないようだったのでやめてしまった。結構カナはその気になっているので、次こそはスクールに入ろうね。きっとスキーをするのが楽しくなるよ。こんなに雪が好きなんだから。

 お昼を挟んでたっぷり雪遊び。
 まだまだ帰りたくないという子供たちを車に戻すのに一苦労。

 さあ、最後の温泉は何処にしようか?
 流石にここまで下ってくると事前に予測していなかったので、東信濃の温泉はノーチェックだった。近くでお湯が良さそうなところというと…千古温泉、渋沢温泉、角間温泉などがあるが、今日はこれだけ天気がいいので、見晴らしの良い露天風呂に入れたら幸せかも。それに高速に乗る前にゆっくり休憩できたらいいから、ここなんかどうだろう、みづほ温泉アグリビレッジとうぶ湯楽里館

 レナが寝てしまう前に辿り着ける場所がいいよとパパが言ったが、車が発車するや否やレナは寝てしまった。
 前回の吉井温泉と同じパターンで、レナにはまた休憩室で寝ていてもらうか。そのためにもゆっくりできる休憩室がセットでついてくる施設を選んでよかった。

 湯楽里館はかなり大きな施設で、物産館や地ビールレストランも併設されている。平日だからどこも空いているだろうと思ったのは大きな間違いで、駐車場はぎっしりだった。長野ナンバーがほとんどだが、八王子や練馬、大分ナンバーも発見!?
 場所は菅平からはかなり下ったが、それでも高台で葡萄畑の中にある。

 レナを休憩室に運んで、座布団を並べて寝かせる。
 パパがカナと先に入りに行った。レナがいるのでママは留守番だ。
 和室休憩室(大広間)もかなり大きいが、席は2/3は埋まっている。本当にここは人気があるようだ。施設のリーフレットを受付で一枚もらってきたが、研修室やハイビジョンシアターなどの設備的なことばかり載っていて、肝心のお湯や泉質についての説明がいっさい無く、旅行の最後につまらない温泉だったら嫌だなと思った。



 パパが戻ってきて、凄くいいお湯だったよと言う。景色も抜群だったらしい。それでは早速行ってみよう…。今度は一人でのんびり入れるぞ。

 脱衣所からガラガラとドアを開けて内湯に入ると、いい匂いがする。おお、この匂いは…。
 まずは日が暮れる前に、眺めが良いという露天風呂に行ってみよう。
 なんと、ちょうど日が沈むところだ…。


 これは凄い。連なる山々の向こうに、今しがた日の落ちるところ。稜線をオレンジ色に染めて、みるみる丸い太陽が輝きながら姿を隠していく。
 手前には雪の降り積もった街が広がり、遠景にはただ山また山だ。湯に身を沈めた状態では街までは見えないが、山はよく見える。立ち上がれば街も一望だ。入ったまま両方見えたらもう何も言うこと無いんだけど…。

 湯は単純泉(低張性弱アルカリ高温泉 48.5度)で、軽いにゅるにゅる感有り。ごく淡い黄色、湯の花などは無い。臭いは最初、昆布臭、あとから灯油臭だがフローラルな華やかな灯油臭(そんな臭いあるんだろうか(笑))。味はミネラルウォーター風。
 循環しているようだが、非常に良い湯で、今朝入った掛け流しのみやま温泉より浴感があるかも。
 最後にこんなお湯と出会えてよかった。

 そうしているうちにも空は暗さを増し、立ち上がると一つ、二つと街に灯りが灯り始めたのが見えた。

 上がってから知ったが、湯楽里館は、サンセットポイント100選に選ばれた場所なのだそうだ。それを湯船から見られたわけだから、感激するわけだね(男湯は西側ではないのでサンセット見られないと思います 念のため)。

 お腹が空いたので夕食もここで食べていこう。


 画像は雷電ビビンバ丼。ここは食事メニューの料金も良心的だ。
 レナはまだぐっすり寝ている。だんだん窓の外も暗くなってきた。
 「今頃、露天風呂に行けば街の灯りがきっと綺麗だよ」と言ったら、カナが見たい見たいと言う。
 じゃ、見に行ってみようか。


 二度目の入浴。
 画像では上手く写らないけど、本当に夜景は綺麗だった。冬の大気は澄んでいるからきらきらと綺麗だね。山の稜線あたりはまだ空も薄墨色だ。中空には弓のように細い月。振り返ればオリオン座が登ってくるところ。夜の露天風呂もいいね。
 カナは「みんなのおもちゃみたいだね」と夜景を言い表した。

 これで旅のおしまい…となればかっこよかったんだが、実はまだ続きがある。
 休憩室に戻ったら、レナが目を覚ましていた。
 パパは、「レナ、ママとお風呂に行っておいで」
 …もっかい入ってくるのかい(笑)。
 しかも「カナももう一度、街の灯りを見に行く!!」
 好きだね、ホント。

おしまい

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