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◆紅葉の湯田中渋温泉郷 湯けぶりウォーク◆3-2


2.横山大観の別荘 嶽心荘

 嶽心荘は昭和初期に日本画家 横山大観の別荘として建てられた。
 名付けたのは大観自身で、今も「嶽心荘」と直筆で書かれた書が大広間に飾られている。
 四棟からなる建物は百十坪、庭園は千五百坪で、囲炉裏、アトリエ、居間、浴室などがある。
 すっかり葉の落ちた晩秋の庭園は、ぬれそぼり雨に煙っている。薄暗い廊下を歩いていると、昔がしのばれるようなそんな感じだ。
 横山大観直筆の額の前と、囲炉裏の前で若女将さんが記念撮影をしてくれた。
 そして暖かい季節にはここで夕食をとることができるが、秋になるともう夕方は真っ暗なんですよと教えてくれた。
 囲炉裏を囲んで食べる山菜料理は趣があって良いと思うが、真っ暗ではもったいない。せめて庭園が見える時間に来たい。
 夏の宵なら蛍も飛ぶという。それはそれは幻想的な光景だろう。


大広間には今も横山大観直筆の額が飾られる 暖かい季節にはこの囲炉裏を囲んで夕食もとれる


 浴室は三方を木枠にガラス張りの戸で囲われていて、外の景色を見ながら入浴できるようになっていた。
 タイルも剥がれかけて古びているが、それがまた老いた龍を彷彿させるいい感じのお風呂だ。
 今の季節は使っていないはずなのに、湯口からはお湯が溢れていて、思わず「入れるんですか?」と聞いてしまった。
 ぬるいので来客があるときは加熱するが、今は準備ができていないので入れないと言う。
 残念・・・と思ったら、若女将さんが、それなら角間温泉に入っていきますか、と言ってくれた。
 


今の季節は入る人もないのに、お湯だけは蕩々と・・・ 横山大観もこのお風呂に入ったのだろうか。
昼間ならば外の景色を見ながら入れそう




3-3.鄙びた山あいの温泉地へ続く


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