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◆紅葉の湯田中渋温泉郷 湯けぶりウォーク◆2-23


23.結願湯 渋大湯

 竹の湯のある通りを真っ直ぐ行くと、先ほどの和合橋に続く境界線の道にぶつかる。
 ここを左に向かえばすぐに神明滝の湯、そして渋大湯に戻ってくることができる。
 いよいよ結願湯、ラストの渋大湯だ。
 社と足湯の下に潜るように建物があり、安代大湯なんかもそうだが両面に入り口がある。石畳の通りから見て右手から入ると女湯入り口、左手から入ると夢ぐり願い処と男湯入り口だ。
 夢ぐり願い処というのは、占いと願掛けのミックスのようなもので、願掛け手桶を振っておみくじのように幸運の外湯番号を引く。出た番号の外湯に入浴して札に印を押し、願い事を書いて奉納すると叶うという。
 九湯巡る時間や気力のない人が、どれか一湯選ぶのに神頼みするのもいいかもしれない。

 渋大湯の看板にはオレンジ色の灯がともっていた。
 中からは人の話し声がする。なんと言っても目玉の外湯なので人気があるのだろう。
 もう時間は6時20分前。
 なんだかんだで結局九つ全部廻ってしまったようだ。
 ギィィと鍵を開けてドアを開くと、脱衣所に二人、浴室にも二人ほど先客がいるようだ。
 流石に大湯なので脱衣所も広々としている。普通の浴室の他に子宝長寿の蒸し風呂もあるが、入り口が別なのでいったん体を拭かないと移動できないようだ。

 何しろ渋温泉の顔とでも言うべき外湯だから、万病に効くということになっている。鍵を貸してくれた土産物屋でも、とにかく渋大湯だけでも入ってみて、そこが一番のお勧めだよと言っていた。
 大きな四角い浴槽には、地下5メートルの岩盤から湧き出るというオレンジと緑の入り交じった茶色い濁り湯がなみなみとたたえられている。
 色だけでも強いインパクトがある。濁りが激しく沈めた手もまったく見えない。
 強い強い金気臭。今までの綿の湯笹の湯の薄い金気臭などふっとぶくらいの鉄分を感じる。
 肌のきしつきも強い。
 浴槽も床も壁も全て木造。それも鉄分であちらこちら赤茶色に染められている。
 浴槽は真ん中で二つに仕切られ、湯田中大湯と同じように中が繋がって高温槽と低温槽に別れるようになっていた。
 比較的熱めだが、入るのに躊躇するほどではない。
 なるほどこれは天下の大湯の風格を備えているなぁ。


いよいよラスト 渋大湯 茶色とオレンジと緑の混じった濃い濁り湯


  何人も先客がいたのでお風呂の写真を撮るのは無理かと思ったが、幸い自分が上がる頃には浴室は空になっていた。
 ただ、脱衣所にまだ服を着ていないお客さんが二人いらしたので、先に断ってから撮影することにした。
 記念にお風呂の写真を撮りたいんですよ、と伝えると、気持ちよく「どうぞー」と許可してくれた上に、何ならあなたの写真も撮ってあげますよと言ってくれた。
 何だか気恥ずかしかったが、お風呂の前で一枚撮ってもらった。
 自分はもう服を着ていたが、撮影してくれた人はまだバスタオルを巻いたままで、益々恐縮してしまった。
 写真を撮ってもらっている間に携帯電話の着ごえが鳴り響いた。
 出てみると、カナの声で「遅いよーママ」
 時間を見ると、5時50分。
 今から帰るところだってば。
 帰り道は全力疾走だった。


石畳の町並みは、もうとっぷりと日が暮れて・・・




2-24.貸切で大はしゃぎへ続く


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