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◆紅葉の湯田中渋温泉郷 湯けぶりウォーク◆2-9


9.よろづやにお願い

 ここで諦めるつもりはない。しばし考えた末、山ノ内町の観光課に電話をかけてやることにした。
 携帯電話を取り出し持っていた地図に書かれた町役場の観光課をダイヤルする。
 トゥルルルトゥルルル・・・
 「はい、山ノ内町です」
 「今日の湯けぶりウォークラリーに参加した者なのですが」
 「えーと、私は留守番役の宿直なので・・・」
 今日のイベントのために観光課が出払っているのは計算済みだが、そろそろ帰ってくる時間だろう・・・。
 「あっ、ちょうど観光課の者が一人戻って参りました。電話を回しますので少々お待ち下さい」
 「はいはい」

 ・・・しかし、待ち受けメロディーは途中でぶつりと切れてしまい、ツーツーと無情に鳴る受話器を睨みつける羽目になった。
 おのれ転送しくじったな~。
 ええい、もう一度掛けてやる。
 我ながらしつこい。
 でもこの機会を逃したら湯田中大湯に入ることはできないだろう。

 今度は別の人が出て、またまた内線に回された。今度は無事繋がる。
 「はい、観光課です。え? 湯田中大湯に鍵がかかっている? 本当ですか?」
 そうなんですよ~、はるばる歩いてきたのに。
 観光課の人はちょっと間をおいてから答えた。
 「大湯の隣によろづやという旅館があります。そこでウォークラリーに参加したことを伝えれば、鍵を開けてくれるはずです」


湯田中よろづや入り口 湯田中よろづや全体像・・・ってファインダーに入りきれてないじゃん


 湯田中よろづやの名は知っていた。
 渋の金具屋同様、千と千尋の神かくしに出てきそうな桃山風呂で有名だ。
 外観はイメージしていたのとかなり違い、カーブの無い直線的な作りで、入り口は由緒正しい老舗和菓子屋をイメージさせ、幾何学的に並んだ客室はマンションのようだった。
 でも細かいディテールが何かこう古く重厚で、純粋な和ではない折衷的な妖怪変化でも出てきそうなのである。
 中に入ってまた吃驚。
 ロビーは旅館というより高級ホテルのようだった。
 ぴしっと背筋の伸びたスーツ姿の男性が、受付に出てきて、事情を説明するとすぐに湯田中大湯の鍵を開けてくれた。
 「どうぞごゆっくり」



2-10.東の横綱 湯田中大湯へ続く


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